議会質問

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DX推進にともなう情報保全等のリスクについて(2024年12月19日)

神谷宗幣(参政党)
次に、DXの推進ということも所信で大臣おっしゃっていましたけれども、今回の国会でもガバメントクラウドというものを法案出されています。国と地方自治体の情報の集約のみならず、日銀とかNHKの省庁の所管法人にもいろいろ努力義務というものが課されていますと。こういった組織が共同で同一のクラウドサービスを利用することによって利用料金を下げて情報管理を円滑にしようということなんですが、実際はまとめて金額上がります。地方自治体で上がるところが結構あるんですね。あと、もう一つの問題は、これ委託する先、クラウドサービスの提供事業者が一〇〇%アメリカの企業だということであります。これ他国のデジタル化の事例見ていますと、ドイツやフランスなどではその国のデジタル主権というものを確保するために国内のデータセンターの構築に予算を投じているんですけれども、日本は経産省が国産化に向けてかじを切ろうとしているようなことを言っていたんですが、今回また丸ごとアメリカの企業にというふうになっています。自治体や国民のデータを外国企業に、外国企業のクラウドに集約するということは安全保障上極めて大きなリスクを伴いますし、日本はアメリカと二〇二〇年に日米デジタル貿易協定というのを結んでいまして、預けた日本の国民のデータが国外の企業に流用される可能性もゼロではない。第三者に流出する可能性も考えないといけない。それから、一社が独占的にその市場を持っているとなると価格交渉できませんから、向こうが今度メンテナンスに掛かります、もっと料金上げますと言ったときにのまざるを得ないんですね。それから、撤退しますというときに、じゃ、預けたデータどうなるんですかというふうなリスクもありまして、エストニアなんかも結構DX進んでいるんですけど、エストニアの場合は預けた国民データがいつどこで誰がどのように見てどういうふうに利用されたかということが追跡できる仕組みが付いているんですけど、日本はそういう仕組みが全くありませんということです。DXで便利にはなるんだとは思いますが、結局、お金は増える、国民や自治体の情報がデジタルで外国企業に管理されて情報の安全性が保てないということだったら、予算を付けてやる意味はないというふうに思います。DXの推進はもちろん進めていくべきだとは思いますが、こういったリスクに対してのブレーキをきちっと付けておかないといけない。それがないものに対しては過度な予算は付けない方がいいと考えるんですけれども、財務大臣の所感をお聞かせください。

加藤勝信(財務大臣)
ガバメントクラウドについては、提供する事業者は国内企業、外国企業問わずセキュリティーやコストの透明性などの要件を満たした者が採用されており、それぞれデータ暗号化など安全対策も取られていると承知をしています。ガバメントクラウドの整備を含め、デジタル化推進予算を検討するに当たっては、委員御指摘のように、国内企業の競争力を強化していくなどにも目を配りつつ、個々の事業の政策目的、リスク、効率性あるいはその時期における選択可能性みたいなのもあるんでしょう、幅広く踏まえて、その在り方について検討を進めることが重要だというふうに認識をしております。引き続き、こうした観点に立って所管のデジタル庁とも緊密に連携し、そうした意味での検討を進めていきたいと考えています。

神谷宗幣(参政党)
簡潔な答弁ありがとうございます。そうですね、今現状無理だとしても、将来的にはやっぱり国産でしっかりとやっていくと、外国は頑張ってそれやっているわけですから、日本ほどの国力があってそれができないということはないと思いますので、是非そこは経産省と力を合わせてしっかり予算を付けて国内のデータサービスをきちっとつくり上げていただきたいというふうに思います。今回、いろんな予算のことについて指摘させていただきました。GXも言いましたし、感染対策の事業も言いました。それからDX、それから、今回触れられませんでしたけど、半導体とか、あとはこれから金融事業に関してもこの委員会で取り上げていくと思うんです。こういった事業で国が予算を付けるときの問題は、私これはもう繰り返し言っているんですけれども、国益重視しているかということだというふうに思います。目先の合理性とか利益にとらわれて、結局、株主資本主義を強く追求するグローバルな巨大資本に全部日本人の富は食われていませんかということをずっと言っています。先ほど藤巻議員の方からも、国が財政支出増やしているのに借金増えているじゃないかと、国債増えているじゃないかと。つまり、バケツの底に穴が空いているんだというふうに私は思っていますね。お金は掛けているけれども、国内でそれがずんずん循環しないからGDPの伸び幅よりも国債の方が積み上がっちゃうというふうな状況ではないかというふうに私は考えています。今日、朝、たまたま元内閣参与の原丈人さんの勉強会、朝参加してきまして、中間層を豊かにする公益資本主義の話を聞いてまいりました。新しい資本主義というような言葉もあって、あれ、これは岸田総理が言っていたことかなというふうに思いながら聞いていたんですけれども。結局、原先生がおっしゃるのも、利益だけを重視するグローバルな株主資本主義じゃ駄目だと。日本型の中間層、日本の企業とか日本人が豊かになるようなお金のやり方をしなければ、多分、加藤大臣おっしゃるデフレの脱却もできないんだというふうに思います。減税、これはもう我々ずっと言っています。減税必要です。それから、お金を出すとき、多額にお金を出すときは、外国企業にいかにお金が流れないようにするかというふうにキャップをはめてお金を出す。そして、あともう一つは、賃上げをしないといけないとおっしゃるんですけど、これも原先生の言葉をそのまま借りますけど、結局、株主配当が多過ぎるんですよ。株主にどんどんどんどんお金払うから、だから日本人にお金は回ってこないので、この株主配当にキャップをはめるということですね。これまでずっと株主配当上げろ上げろ上げろとやってきた結果がこの日本人の中間層の没落になっていると思いますので、そこをしっかりとチェックして、お金を使うときは、国内で日本の企業や日本人にお金が回るような形でお金の支出をきちっとやっていただくと。どんどんと積極財政我々求めていますので、支出していただくのはいいんですけれども、使うところ、そのお金がどういうふうにちゃんと国民に利益があったかというところの検証をしながらやっていかないと、国際社会がどうだとか審議会がどうだということだけ聞いても、なかなか、それ自体がもう利権構造になっているかもしれないので、そこのところをしっかりとチェックしながら、是非経済を力強く、力強い経済を取り戻していただきたいと要望して、質問を終わります。ありがとうございました。

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緩和措置による中小企業の技術流出リスクについて(2024年5月14日)

神谷宗幣(参政党)
こうしたことを見越してか、二〇二一年の銀行法の改正というものがありまして、経営不振にある非上場の会社への一〇〇%出資というものが可能になっていて、地方の中小企業の株を銀行が持てるというふうな形になっています。今回の規制緩和により証券の流通が活性化すると、機関投資家や個人の投資家から集めた資金を未上場企業に投資し、経営に関与することで企業価値を高めてIPOや売却によって利益を得ることを目的としているプライベート・エクイティー・ファンド、資料にも名前ありましたね、プライベート・エクイティー・ファンドが地方銀行などを介して技術を持っている中小企業などを買収して、日本の企業の技術や特許が流出するというリスクがあるのではないかと考えています。海外見ますと、企画立案のみ行って、現地国の資産運用会社を利用して短期で利益を上げているファンドが多数存在しているということを確認しています。今回の緩和措置によって流動性が高まるというメリットはあると思うんですが、一方で、海外のファンドなどが日本の中小企業などの技術や特許といったものを狙って会社の買収などを進めていくことで、日本の技術が流出していくといったようなリスクは考えられないかということなんですが、この点どうでしょうか。

井藤英樹(政府参考人)
先生御指摘の技術や特許の海外への流出リスクに関しまして、非上場企業が発行する株式には、例えば譲渡に際して当該企業の取締役会等での承認が必要となる制限が付されていることが一般的であるため、今般の法律改正により株式の流通活性化が図られた場合でも、現在と同様、当該企業が意図しない株式の譲渡は行われないというふうに考えてございます。また、外国投資家が一定の事業を営む国内非上場企業の株式を取得する場合にあっては、外国為替及び外国貿易法によりまして事前届出が求められ、国の安全等の観点を踏まえた厳格な審査が行われることとなっているというふうに承知してございます。このため、非上場有価証券の流通の今回の施策によって非常に大きなリスクが生じるというふうに考えているわけではございません。

神谷宗幣(参政党)
ありがとうございます。これ懸念なので、是非その点のところを配慮した制度運営をやっていただきたいという要望であります。いろいろやり取り聞いていましても、顧客保護というものは皆さん指摘されているんですけれども、その運用会社に運用される商品といいますか、証券を持っている会社の権利保護といった観点がちょっと議論になかったので、その点を指摘させていただきました。確かに、流通を高めて競争をしっかりしていくということ、非常に大事なことだと思っていまして、それはいいと思うんですが、ただ一方で、日本の企業とか技術を守るという視点もないと、まあ直接当てはまらないかもしれませんけれども、リーマン・ショックの後にハゲタカファンドというのがやってきて、日本の技術とかを結構持っていかれたんじゃないかということを私すごく記憶に持っておりまして、そういうことに今回中小企業が対象とならないように予防策とか対策を考えていただきたいというふうに重ねて要望しておきます。