質問主意書
現在、SNSやインターネットを通じて募集される「闇バイト」が深刻な社会問題となっている。闇バイトは、高収入を謳うことで、特に経済的に困窮し、情報リテラシーが不足している若者を犯罪行為に巻き込み、社会秩序を著しく乱している。また、これらのやりとりには、匿名性の高い通信アプリ「シグナル」などが利用され、状況把握や規制が困難となっている。この結果、闇バイトの監視や規制が不十分な状況となり、犯罪拡大の一因となっている。
実際に、闇バイトをきっかけに引き起こされた事件は全国で後を絶たない。例えば、北海道札幌市では、二十五歳の建築作業員が住宅に侵入して現金を窃盗し、「闇バイトで勝負に出て借金をリセットしたかった」と供述している。東京都品川区では、十七歳の高校生がエステ店を襲撃し、「違法な店だから強盗をしても捕まらない」と指示役から説明されて犯行に及んだと供述している。このほか、神奈川県川崎市や愛知県名古屋市、埼玉県久喜市でも、SNSを介した闇バイト募集をきっかけにした事件が発生している。
こうした事例は、SNSやインターネットを通じた闇バイト募集が犯罪の温床となっていることを明確に示しているだけでなく、経済的に困窮し、情報リテラシーが不足している若者が、「楽して稼げる」との甘言に引き寄せられ、容易に犯罪に巻き込まれる現状を浮き彫りにしている。
この問題に対処するためには、犯罪の入口を断つ取組が不可欠である。闇バイトの実行段階を取り締まるだけでは不十分であり、SNSや求人サイト上の募集投稿を監視・規制する体制の整備が急務である。また、経済的な困窮や情報リテラシーの不足が犯罪の引き金となっている現状を改善する必要がある。政府は、SNS規制の強化と併せて、若者への経済的支援策や情報リテラシー教育を推進し、犯罪の温床を断つ総合的な対策を講じるべきである。闇バイトは一部の若者や地域の問題ではなく、社会全体の秩序を揺るがす課題であり、迅速かつ包括的な対策が求められる。
以上を前提に、以下質問する。
神谷宗幣(参政党)
政府及び警察庁において、闇バイトをどのように定義しているか。また、闇バイトと通常の求人を線引きする基準について示されたい。
政府
お尋ねの「闇バイト」については、明確な定義はないが、令和六年六月十八日の犯罪対策閣僚会議で決定した「国民を詐欺から守るための総合対策」(以下「総合対策」という。)においては、「「闇バイト」等情報」を、「「闇バイト」、「裏バイト」等と表記したり、仕事の内容を明らかにせずに著しく高額な報酬の支払いを示唆したりして犯罪の実行者を募集する投稿や当該投稿に関連する情報をいう」としている。
また、お尋ねの「闇バイトと通常の求人を線引きする基準」については、前述のとおり「闇バイト」の明確な定義がないためお答えすることは困難であるが、一般論として申し上げれば、犯罪の実行者の募集であるか否かについては、業務の内容や賃金等を踏まえ、個別の事案ごとに判断されるものと承知している。
神谷宗幣(参政党)
闇バイト問題に対し、警察庁は犯罪捜査において、犯罪防止の観点から、現在どのような対応を採っているのか。また、匿名性の高い通信アプリなどが犯罪に利用されるケースについて、どのように追跡・摘発を行っているのか。これらの課題と対策について示されたい。
政府
「犯罪捜査において、犯罪防止の観点から、現在どのような対応を採っているのか」とのお尋ねの趣旨が必ずしも明らかではないが、一般論として、警察では、捜査の過程で犯罪防止に資する情報等を得た場合には、必要に応じて、関係事業者に提供するなどの対策を講じている。
また、お尋ねの「どのように追跡・摘発を行っているのか」については、捜査機関の活動内容に関わる事柄であり、これを明らかにすることにより、今後の捜査活動に支障をもたらすおそれがあることから、お尋ねの「課題と対策」を含め、お答えすることは差し控えたい。
神谷宗幣(参政党)
求人サイトやSNS上に投稿される闇バイトの募集と疑われる情報について、運営会社に対して警察への通報を努力義務として課すべきであると考えるが政府の見解を示されたい。また、現在実施している取組があれば示されたい。
政府
御指摘の「努力義務として課す」の具体的に意味するところが必ずしも明らかではないが、御指摘の「求人サイト」の運営者を含めた、職業紹介事業者及び募集情報等提供事業を行う者については、これらの事業者団体等に対して、御指摘の「闇バイトの募集」を含む職業安定法(昭和二十二年法律第百四十一号)第六十三条第二号に規定する公衆衛生又は公衆道徳上有害な業務に就かせることを目的とした求人及び労働者の募集に関する情報(疑いのあるものを含む。以下同じ。)を発見した場合には、直ちに削除等の措置を採った上で、警察に通報するよう要請している。また、公衆衛生又は公衆道徳上有害な業務に就かせることを目的とした求人及び労働者の募集に関する情報は、求人等に関する情報の的確な表示について定める同法第五条の四の規定に違反している可能性が高いと考えられることから、職業紹介事業者等が当該求人等に関する情報に対して適切な措置を講じない場合には、指導監督の対象となり得る。
また、御指摘の「SNS」を提供する主な事業者は、警察や利用者による通報等に基づき、御指摘の「SNS」上の投稿が、同法等の法令に違反しているなどと判断した場合、利用規約等に基づいて当該投稿の削除等の必要な措置を講じていると承知している。
神谷宗幣(参政党)
闇バイトを防止するため、国の機関や地方公共団体に対し、疑わしい求人について国民が相談できる窓口の設置を義務化する考えはあるか。また、そのような通報先や相談窓口の周知を図るため、政府広報をテレビやインターネットで展開する計画はあるか。具体的な取組があれば併せて示されたい。
政府
警察では、既に、犯罪の実行者の募集であると疑われる情報に係る相談窓口として、都道府県警察本部の総合窓口に設置された全国統一の番号である「警察相談専用電話(「#九一一〇」番)」を政府広報や警察庁のウェブサイト等で広く国民に周知しているところであり、お尋ねの「疑わしい求人について国民が相談できる窓口の設置を義務化する」ことは、現時点では必要ないと考えている。今後、犯罪の実行者の募集に起因する強盗等への対策として、犯罪に加担しようとする者に対する呼び掛け等、インターネット等を通じた広報啓発を強化してまいりたい。
神谷宗幣(参政党)
闇バイトの危険性を若者に認識させるため、学校教育の場で警察が直接啓発活動を行う必要があると考えるが、このような取組を全国的に実施する計画はあるか。また、匿名性の高いアプリが犯罪に利用される現状を踏まえ、情報リテラシー教育の強化に関する取組についても示されたい。
政府
前段のお尋ねのような取組については、総合対策において、「SNS上で発信されているものを含む「闇バイト」等への応募等、青少年が事の重大性を認識することなく、安易な考えから犯罪に加担してしまうこと等のないよう、防犯教室や非行防止教室等の場を活用して、検挙事例を交えながら具体的に情報発信する」としていることを踏まえ、警察庁においては、全国の都道府県警察に対し、少年に対する非行防止教室等を通じた効果的な広報啓発等の対策を推進するよう指示している。また、後段のお尋ねの「情報リテラシー教育の強化に関する取組」の意味するところが必ずしも明らかではないが、総合対策において、「学習指導要領において情報モラルを含む情報活用能力を育成することとしているところ、小学校段階から、情報発信による他人や社会への影響について考えさせる学習活動や、ネットワーク上のルールやマナーを守ることの意味について考えさせる学習活動などを通じて、情報モラルを確実に身に付けさせる」としていることを踏まえ、文部科学省では、「情報モラル教育ポータルサイト」において御指摘の「闇バイト」に関する教材を提供するなどの施策に取り組んでいる。
神谷宗幣(参政党)
匿名性の高い通信アプリや暗号化技術の進化により、犯罪行為の検知や追跡が困難になるケースが増加している。このような状況に対し、政府は規制体制をどのように整備し、技術面での追跡・摘発能力を強化しているのか。また、他国における規制や技術対応に係る同様の事例を把握しているか。それらを国内の規制強化や対応策にどのように活用していく方針か示されたい。
政府
お尋ねの「規制体制」については、その意味するところが明らかではないため、お答えすることは困難である。
また、お尋ねの「技術面での追跡・摘発能力」については、新たな科学技術の活用を図るなど、その強化に努めているものと承知している。
さらに、お尋ねの「他国における規制や技術対応に係る同様の事例」の把握については、「技術対応」の意味するところが必ずしも明らかではなく、また、政府部内で検討中の事柄に関するものであることから、詳細についてお答えすることは差し控えたいが、一般論として、検討に当たっては、必要に応じて、諸外国の事例等も参考にしているものと承知している。
加えて、お尋ねの「規制強化や対応策」については、現在検討中であり、現時点でお答えすることは困難である。
衆議院選挙と同時に行われる最高裁判所裁判官の国民審査(以下、国民審査という)は、国民が最高裁判所裁判官の適格性を直接評価する重要な機会である。日本国憲法に基づき、裁判官は任命後初めて、そして十年ごとに国民審査を受ける。国民は信任しない裁判官に「×」をつけて罷免を求める意思を示し、過半数が「×」となれば裁判官は罷免される。今回の審査では、対象となった六人全員が信任されたものの、罷免票の割合は過去二十年間で最も高く、特に六人中四人が十%を超えた。これは、特定の裁判官への集中票ではなく、有権者が個々の裁判官について慎重に評価を下した結果とされる。
背景には、SNSやメディアの発展により、これまであまり注目されていなかった国民審査に対して関心が高まりつつあることがうかがえる。さらに、ジェンダーや人権問題などの国民の関心が高いテーマに関する判決が続く中で、今回の審査で罷免率の割合が高かったことは、裁判所の判断が民意と乖離していることを反映しているのではないか。特に、社会的課題に対する国民の価値観が多様化する現代では、国民が裁判官の個別判断やその背景に敏感に反応する傾向が強まっていると言える。しかしながら、現在の国民審査における情報提供は十分とは言えず、判断材料の少なさが国民主権を軽視する結果につながっている。国民審査が単なる儀式にとどまらず、国民生活に影響を与える裁判官の適格性を評価する実質的な機会となるよう、正確で充実した情報を提供し、有権者の意識を高める取組が求められるのではないだろうか。
以上を前提に質問する。
北野裕子(参政党)
国民審査において、裁判官の適格性を判断するための情報提供が十分でないとの指摘がある。政府として現行の判断材料が十分であると考えているのか、具体的な見解を伺いたい。また、国民がより適切に審査を行えるよう、情報提供の拡充についてどのように考えているのか。
政府
お尋ねについては、最高裁判所裁判官国民審査(以下「国民審査」という。)のための国民の判断材料の一つとして、最高裁判所裁判官国民審査法(昭和二十二年法律第百三十六号)第五十三条の規定に基づき、都道府県の選挙管理委員会から、審査に付される裁判官の氏名、生年月日及び経歴並びに最高裁判所において関与した主要な裁判その他審査に関し参考となるべき事項を掲載した審査公報が国民審査ごとに発行され、基本的な情報が示されるとともに、国民が国民審査において判断をするに当たっては、普段から目にする同裁判所の裁判官や裁判に関する日頃の報道等も併せて判断材料とされるものと考えており、十分な判断材料が示されているものと考えているため、御指摘の「情報提供の拡充」は考えていない。
北野裕子(参政党)
国民審査制度は、一九四九年の導入以来一度も罷免者を出しておらず、形骸化しているとの指摘がある。政府としてこの制度の実効性をどのように評価しているのか。また、広報内容や情報提供方法の改善として、NHKの政見放送のように各判事のプロフィールや過去の判断内容を紹介する放送や、投票所での裁判官情報の掲載などの必要性について、政府はどのように考えているのか。
政府
国民審査については、その意義、目的等は国民に広く認識され、また、国民に十分な判断材料が示されているものと考えていることから、最高裁判所の裁判官がその職責にふさわしい者であるか否かについて、国民においては、適切に判断されているものと考えており、御指摘の「NHKの政見放送のように各判事のプロフィールや過去の判断内容を紹介する放送や、投票所での裁判官情報の掲載などの必要性」があるとは考えていない。
北野裕子(参政党)
現在の国民審査では「×」のみの記入形式のため、無記入が信任と棄権の両方を含む結果となり、民意が十分に反映されていないとの懸念がある。この点を改善し、「罷免可」「罷免不可」「棄権」の三区分を導入し、無記入を棄権として明確化することで民意を正確に反映する仕組みを導入すべきではないか。政府の見解を求める。
政府
現行の国民審査の投票の方式は、昭和二十四年の第一回国民審査以来、国民の間に定着しており、昭和二十七年二月二十日最高裁判所大法廷判決においても、「罷免する方がいいか悪いかわからない者は、積極的に「罷免を可とする」という意思を持たないこと勿論だから、かかる者の投票に対し「罷免を可とするものではない」との効果を発生せしめることは、何等意思に反する効果を発生せしめるものではない、解職制度の精神からいえば寧ろ意思に合する効果を生ぜしめるものといつて差支ない」と判示されていることから、御指摘のような「仕組み」を導入することは考えていない。
北野裕子(参政党)
国民審査に関し、有権者が裁判官の適格性を理解し、判断材料を得られるよう、最高裁判所のウェブサイトに裁判官の情報提供や有権者からの質問に応じる仕組みを設けるべきではないか。このような情報提供システムの導入について、また既存の取組があるかも含め、政府の見解を求める。
政府
御指摘の「裁判官の情報提供や有権者からの質問に応じる仕組み」の意味するところが必ずしも明らかではないが、最高裁判所のウェブサイトでは、各裁判官の略歴、裁判官としての心構え、同裁判所において関与した主要な裁判等の情報提供がされているものと承知している。また、同裁判所のウェブサイトにおける裁判官に関する情報提供の在り方については、同裁判所において引き続き適切に対応していくものと承知している。
北野裕子(参政党)
国民審査は裁判官の任命後十年で行われているが、この期間は長すぎるとの声がある。例えば、衆議院・参議院議員の任期を踏まえ、四~六年に短縮し、より頻繁に適格性の評価を行うべきではないか。また、現行の十年という審査間隔の根拠について政府の見解を求める。
政府
憲法第七十九条第二項において、「最高裁判所の裁判官の任命は、その任命後初めて行はれる衆議院議員総選挙の際国民の審査に付し、その後十年を経過した後初めて行はれる衆議院議員総選挙の際更に審査に付し、その後も同様とする」と規定されており、政府としては、当該規定に基づき、国民審査を行う必要があるものである。
日本では公営ギャンブル以外の賭博が法律で禁止されており、オンラインカジノを利用した賭博は、日本では犯罪行為となる。それにもかかわらず、国内には二百万人以上の利用者がいると言われている。実際に、国内からのオンラインカジノへのアクセス数は米国、ドイツに次ぐ世界三位となっており、日本は今や「違法カジノ大国」であると報じられている(日本経済新聞二〇二一年十二月十九日)。
一方、IMARCグループ調査によれば、世界のオンラインギャンブルの市場は、急速に拡大をしており、二〇二〇年に約五百九十八・八億米ドル、二〇二一年に七百二十三億米ドルの規模にまで拡大しているという。この市場の拡大に伴い、オンラインカジノの利用者数も増加することが予想される。
しかしながら、オンラインカジノは、リアルカジノと比較しても高いリスクを伴い、ギャンブル依存症や金銭問題につながることが指摘されている。アクセスの容易さや匿名性の確保、デジタルマネーの利用による賭け金の実感の希薄さなどが、その要因と言われる。このため、市場規模の拡大に伴い、利用者数の増加も予測されるが、ギャンブル依存症や金銭問題の解決には、より困難が伴う。
この点、国内のオンラインカジノに係る賭博事犯の摘発事例は、二〇二〇年中十六件、二〇二一年中十六件、二〇二二年中十件と極めて低調である。このままでは、オンラインカジノの運営者や利用者を減らすことはできず、ギャンブル依存症やそれに関連する金銭問題を解決する道のりは非常に遠いと言わざるを得ない。
海外では、フランス、イタリアなど十八か国がブロッキングを強制手段として使用しているほか、ブロッキングの対象とするウェブサイトのリストを公開するなどの対策を講じている。また、韓国では、不法射幸産業監視・通報センターを設置し、オンラインカジノ業者の監視を強化しているほか、オーストラリアでは、二〇二三年四月に「オンラインカジノ」などインターネット上で運営されている賭博へのクレジットカードによる支払いを禁止する方針を発表し、年内に法案を議会に提出予定であることが報じられている。このように、諸外国では、強固な取組を行っている。
日本においても、「違法カジノ大国」としてのイメージを払拭するためにも、国家レベルでの取組が急務である。
以上を前提に、以下質問する。
神谷宗幣(参政党)
二〇二〇年から二〇二二年までの国内のオンラインカジノに係る賭博事犯の摘発事例について、検挙された者のうち、金銭を賭けさせていた者、賭客はそれぞれ何件か。捜査の端緒としてどのようなものがあるか。検挙された事例のうち、「賭博場である店舗で行われる業者」以外の業者を取り締まったものは何件か。海外のサーバーが用いられていた件数は何件か。それぞれの捜査の端緒は何か。
政府
お尋ねの「金銭を賭けさせていた者」及び「「賭博場である店舗で行われる業者」以外の業者」の具体的に意味するところが必ずしも明らかではないが、いわゆる「オンラインカジノ」(以下「オンラインカジノ」という。)に係る賭博事犯について、令和二年から令和四年にかけての検挙件数として警察庁が都道府県警察から報告を受けたものは、合計四十二件であり、そのうち四十件では、「賭客」を検挙している。国外に所在するサーバーを使用したか否かについては網羅的に把握していない。お尋ねの「捜査の端緒」については、捜査機関の活動内容に関わる事柄であり、お答えすることは差し控えたい。
神谷宗幣(参政党)
二〇二二年六月一日の衆議院予算委員会において、岸田首相は「オンラインカジノ(中略)は違法なものであり、関係省庁が連携をし、厳正な取締りを行わなければならないと思います。また、資金の流れの把握、実態把握、これをしっかり行うことが重要である」と答弁しているところ、同答弁以降、実際の検挙率は増加したか。また、同答弁以降、政府はどのように関係省庁間の連携を図り、どのように厳正な取締りを進め、資金の流れの把握及び実態把握を進めてきたか。
政府
前段のお尋ねについては、お尋ねの「実際の検挙率」の具体的に意味するところが明らかではないため、お答えすることは困難である。
後段のお尋ねについては、警察庁から全国の都道府県警察に対し、各種会議において、オンラインカジノに係る賭博事犯について、資金の流れも含めたその実態の把握と取締りを強化するよう指示しているほか、関係省庁において、それぞれの所掌事務に基づいた施策を講ずるために必要な情報の交換を行っている。
神谷宗幣(参政党)
政府は、内閣衆質二〇八第一二〇号(令和四年六月二十一日)の答弁において、いわゆる「オンラインカジノ」に対する対策については、関係省庁がそれぞれの所掌事務に基づいて実施し、引き続き関係省庁が連携し、必要な対策を講じる旨答弁している。これまでどの省庁がどのような方策を行ってきたか、示されたい。
政府
二についてで述べたとおり、警察庁から全国の都道府県警察に対し、オンラインカジノに係る賭博事犯について、その実態の把握と取締りを強化するよう指示しているほか、警察庁及び消費者庁において、オンラインカジノに関する広報啓発用ポスターを作成し、広報啓発を行っている。
神谷宗幣(参政党)
警察庁及び消費者庁が、ウェブサイト上において、オンラインカジノを利用した賭博が違法であることについて、啓発を行っているところ、その啓発の効果測定はどのようにされているか。
また、一部ウェブサイトなどでは、オンラインカジノがヨーロッパやアジアの国で認可されている限り、合法的にプレイできると誤導するような記載があるサイトが存在し、オンラインカジノを利用する国民の中には、そのようなサイトの記載により誤った理解をしている場合があるようである。これに対し、海外で合法的に運営されているオンラインカジノを利用した場合でも、利用者側に犯罪が成立することについて、より理解しやすいよう、前記の啓発内容の記載を工夫したり、より広い媒体で啓発を行ったりするなど方法があると思われるが、この点について、政府はどのような対策を講じるか。
政府
お尋ねの「啓発の効果測定」は行っていない。政府としては、広報啓発用ポスターやインターネット広告等を活用して、オンラインカジノを利用して賭博を行わないよう、国外で合法的に運営されているオンラインカジノを利用した場合であっても「利用者側に犯罪が成立すること」も含め、周知してきたところであり、引き続き一層効果的な広報啓発に努めてまいりたい。
神谷宗幣(参政党)
二〇二二年十一月二日の衆議院法務委員会において、「例えば海外オンラインカジノを行うといったような、日本では違法であっても海外では合法の場合について、違法行為が処罰の対象となるよう、海外サーバーや、事業者の所在する海外の捜査機関と協力する枠組みはあるのでしょうか」との質問に対し、法務省は、「共助犯罪に係る行為が外国において行われたとした場合におきまして、その行為が当該外国の法令によれば罪に当たるものでないとき、我が国と捜査共助条約等を締結していない外国に対しても、外交ルートを通じて国際捜査共助の要請を行うこと自体は可能」と答弁している。
この点、オンラインカジノのウェブサイトの中には、日本語に対応していることを宣伝文句に、日本の顧客を誘引するサイトが散見される。政府は、このようなサイトがあることを承知しているか。これらのサイトの運営者に対し、処罰の対象となることについて警告を行ったり、外交ルートを通じて国際捜査共助の要請を行ったりした事例はあるか。
政府
オンラインカジノに係るウェブサイトには日本語で表記されているものがあることは承知している。「サイトの運営者に対し、処罰の対象となることについて警告を行った」事例はあるのかとのお尋ねについては、その意味するところが明らかではないことから、お答えすることは困難である。お尋ねの「国際捜査共助の要請を行った」事例については、捜査機関の活動内容に関わる事柄であり、お答えすることは差し控えたい。
神谷宗幣(参政党)
前述した各国の取組について、政府は承知しているか。日本でも右のような対策を講じることにつき、政府は、検討を行ったことがあるか。今後、右のような対策を行うことに対しての政府の見解如何。
政府
お尋ねの「各国の取組」は承知しているが、その詳細については、把握していない。また、御指摘の「右のような対策」の具体的に意味するところが明らかではないため、その余のお尋ねにお答えすることは困難であるが、政府としては、引き続き、関係省庁が連携し、オンラインカジノに対する必要な対策を講じてまいりたい。