議会質問

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フェンタニルが日本に流入していないか、新しい薬物の流入をどうやって阻止するか(2024年3月29日)

神谷宗幣(参政党)
昨年八月に厚労省が公表した薬物乱用対策に関する資料によると、二〇一三年から二〇二二年の十年間で覚醒剤一万六百六十一キロが押収され、年平均では千六十六キロが押収されているということです。しかし、こうして検挙されていますのは実際の違法薬物流入の氷山の一角にすぎないと思われます。実際の輸入量は押収量の何倍、若しくは数倍から数十倍に及ぶと見られ、違法薬物の大量消費が国民の健康に致命的な被害を及ぼしていると考えます。そうした中で、海外に目を向けますと、最近ではオピオイド系のフェンタニルという薬がアメリカを中心に広がりまして、甚大な被害を起こしています。その深刻な状況はSNSなどで投稿された動画などを通じて広く知られており、フィラデルフィアなどの惨状というのが有名です。アメリカのブルッキングス研究所が昨年三月三十一日に公表した資料によると、フェンタニルの毒性の強さから、一九九九年以降、オピオイド系薬物の過剰摂取等で約百万人が亡くなっています。具体的には、二〇二一年には十万六千六百九十九人、二〇二二年には十万七千四百七十七人が死亡したという報告です。これらの死亡原因の大部分はフェンタニルによるものです。フェンタニルは、単独で使用される場合もあれば、偽造された処方箋、ヘロイン、最近では覚醒剤やコカインに混ぜて使用されているということです。中でも、動物用鎮痛剤に混ぜたものはゾンビドラッグという異名で知られ、使用者はまるでゾンビのように生気を失って見えるというふうに言われています。また、薬物売人は、当局の発見を避けるため、フェンタニルに似た構造的に異なる類似物を合成していて、識別や追跡を非常に困難にしているという指摘もされています。どういった形になっているかはおいておいて、こうやって非合法に製造されたフェンタニルが日本に流入しているということはないかということ一点と、それから、これら新しい薬物の流入阻止や取締りに関してどのような対策を講じていくのか、政府の方針をお聞かせください。

江島一彦(政府参考人)
お答え申し上げます。令和元年から令和五年までの五年間におきまして、税関においてフェンタニルの密輸入を摘発した実績はございません。

吉田易範(政府参考人)
取締り等の対策についてお答え申し上げます。我が国では、フェンタニルを麻薬として指定した上で、輸入、譲渡、所持、施用等を厳格に規制し、医療機関等への立入検査なども行って、不正流通の防止を徹底しております。フェンタニルは、欧米諸国では医療用麻薬として広く使用されておりますが、我が国では、承認適応は限定されるなど極めて抑制的に使用されており、現時点では米国のような乱用の実態はないというふうに認識しております。しかしながら、薬物は国境を越えて取引される実態もあります。このため、我が国では、昨年八月に策定した第六次薬物乱用防止五か年戦略に基づき、国内外の関係機関や密輸情報などを通じた情報収集、正規流通麻薬などへの監督強化による不正流通の防止、インターネットなどサイバー空間を利用した事案への対応などの取組を強化し、フェンタニルを始めとする薬物が違法に国内に流入しないよう取り組んでおります。引き続き、フェンタニルの密輸状況にも注視し、必要な取締りを行ってまいりたい、このように考えております。

神谷宗幣(参政党)
ありがとうございます。フェンタニル単独では入ってきていないということでしたし、取締りも強化ということなんですけれども、実際に今世界中から入ってきている薬物を見ますと、やっぱり北米経由で入ってきているものが多いということですから、これから入ってくる可能性ありますし、さっきも申しましたようにこれ混入されて分からなくして入ってくるということありますので、その辺も目を光らせていただきたいと思います。このフェンタニルに関しては、中国が原材料の主な供給国とされていて、アメリカでは、中国がフェンタニルを戦略的物資として流通させてアメリカ国内の不安定化や混乱を助長しているといった見方も発表されています。まず、フェンタニルってケシなので、アヘン戦争で中国は大変やられたので、それの仕返しだというふうな、そんな声も上がっているということなんですね。我が国としても、このような違法薬物を通じて、先ほど大塚先生からもありましたけれども、国内に対する破壊工作とかサボタージュといったものが行われないとも限らないので、そういった視点でも、単なる入れないということじゃなくて、どういう意図で、ただお金だけじゃなくて破壊工作としてそういうものをやられないかという視点でもしっかりとチェックをしていただきたいと要望しておきます。

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スパイ防止法を制定して中国の経済侵略をはねのけていくべきではないか(2023年6月1日)

神谷宗幣(参政党)
戦う、軍事力で戦うことはないにしても、おっしゃるように、中国、経済力でどんどんどんどん世界に浸透していっていますと。まあオーストラリアなんかでも非常に中国の勢いが大きくなって、数年前には「サイレント・インベージョン」という本が書かれまして、結局、武力では来ないけれども、例えば、政治家を買収して国の法律を変えていくとか、企業、土地、そういったものを買収していくというふうな形でどんどんどんどんと国の主権に入り込んできているというふうなものを問題視された本がベストセラーになったんですけれども、こういった点に関して、日本が、例えば中国からそういった経済的な力を使ってのサイレントインベージョンを受けないように、スパイ防止法みたいなものを制定して、そういった経済侵略をはねのけていくということに関しては、先生はどのようにお考えなのか、お聞かせください。

参考人(纐纈厚君)
中国のいわゆる直接侵略ではなくて、議員が御指摘なのは間接侵略、つまり、今のようなソフトな形でもって主権を侵害していくという方向性の中で、中国はそういう戦略を取るのではないか、いや、現実にもうサイバー攻撃、先ほども話が出ましたけれども、取っているんではないかと、これに対してどういうふうに防波堤を築いていくべきなのかというお話だろうというふうに思います。
〔理事大家敏志君退席、委員長着席〕
じゃ、逆に言いますと、中国はなぜそのような悪行を働くのか。悪行という言い方はちょっと言い過ぎかもしれませんけど、そういうようなことを中国にさせないためにも、私は、中国に対するきちっとした関係性をつくり上げていく中で、中国のこの部分はよろしくない、もちろん日本の中にも改善をすべき点は多々ある。そういうような意味で、総合的な信頼醸成ということを繰り返していく中で、今御指摘のような問題というのは、やはり時間は掛かるんだけれども、やっぱりそういう選択しかないだろうと思います。戦争によって解決するというのは、短期的にはそれが可能であっても、中長期的には、あまたの人命が失われ、国力が消耗し、そして未来をつなぐ子供たちが犠牲になっていくということを考えれば、時間は掛かっても、私は、やはり非暴力、非戦の立場に貫く中で関係改善をやはり貫くべきだろうと思いますし、それが政治家の、政治を担当される方々の責任だろうと思いますし、我々研究者は、こういう提案等々をお出しすることによって活発な議論をしていく、それがやっぱり必要なことではないだろうかというふうに思います。

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中国のチベット侵略について(2023年6月1日)

神谷宗幣(参政党)
中国を脅威国とするべきではないと、中国を脅威と感じるべきじゃないんじゃないかというふうなことでしたけれども、まあまあ、ちょっと少し時代古い話になりますけれども、チベットなんかは特に武装はしていなかったわけですよね。それが、ある日突然、人民解放軍がやってきてという形で、もうもはや中国の一部というふうになってしまっているというふうな、こういったことがあるんですけれども、このチベットの問題なんかはどういうふうに捉えておられるのか、まずお聞かせください。

纐纈厚(参考人)
御質問ありがとうございました。チベット問題の人権状況は極めてひどいと私はもう捉えています。そしてまた、私も中国に教え子がたくさんいますけれども、いわゆる回教族出身の教え子がおります。ただ、女性なんですけれども、彼女はこう言っておりました。確かに私たちイスラム系回教徒、あるいはチベット系の人たちに対する抑圧はひどいけれども、また一方で中国は、懐柔策だと思いますけれども、子育て政策、一人っ子政策のときに、いち早く二人以上でもオーケーだ、あるいは中国の大学、御存じかもしれませんけれども、地域によってはなかなか北京の大学には行けないけれども北京に行かせてくれるというような優遇措置、こういういわゆる懐柔政策を施して、もちろん全てが反中国、あるいは反中央というわけではない。それから、やはり問題は、一番根本的な問題は、中国の人権状況に対してアクセスする日本は残念ながらルートを持っていない。インターナショナル、例えば国際的な機関がある程度いろんな形で調査団を出しているけれども、果たして日本の調査団あるいは日本の人権団体等々がチベットにはなかなか入れない、なぜかという問題ですね。私は入るべきだと思います。そのためにも、中国との議論、胸襟を割って関係づくりをする、そのプロセスの中でやっぱりチベット問題、それだけではございませんですよね。中国国内の非常にひどい南北問題ございます。教育格差の問題、貧困格差の問題等々ございます。これは日本との関係性の中で解決できる部分も、全部とはもちろん申しませんけれども、あるんだろうと思います。ただただ排除排除の論理でもって行くならば、ひどい人権状況はそのまま続いてしまう可能性はありますので、そこら辺のところも含み込んだ上で中国との関係改善ということを申し上げたいというふうに思っております。

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日本がチベットように侵略されるリスク(2023年6月1日)

神谷宗幣(参政党)
ありがとうございます。チベットの現状に対しては問題意識を持っておられるということが分かったんですけれども、先ほどのお話聞いていますと、非武装で、そして攻めてきたら戦わないと、それだったらもう殺されますというふうな哲学をお聞きしましたけれども、それをやっていると、日本が将来チベットみたいになるということが大いにあり得るわけですよね。だから、中国がやってきました、我々戦わずに占領下に入りました、で、懐柔策はしてくれてちょっとお金はくれるけど、でも言語は変えられるし、いろんな制度は変えられていくと、そういった状態になることもやむなしというふうにお考えになっておられるのか。その辺はどうでしょうか。

纐纈厚(参考人)
ありがとうございます。全く違います。中国が日本に攻めてきたと、一〇〇%私はないと思っていますけれども、まあでもそれでは話が進みませんから、中国が日本に来て、中国の制度、中国の政治システムを日本に導入する、それを唯々諾々とやはり日本人が受け入れるでしょうか。それはあり得ないと思います。やはり何らかの抵抗、不服従、ガンジーのような抵抗というのは当然するんだろうと思います。その前にですね、その前にやはり、侵略してくるというのは、やっぱり私は、大変失礼な言葉かもしれませんけれども、妄想でしかないと思います。非常にリアリティーを欠いた判断ではないかというふうに思います。いかがでしょうか。

神谷宗幣(参政党)
ありがとうございます。まあ、そこは多分考え方が違うと思うんですけど、実際、チベットの話を出したのは、実際に妄想ではなくてチベットには侵略をしているので、それが起こり得るんではないかという危険性を聞きたかったんですけれども、この点に関しては結構です。