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質問主意書

LGBT理解増進法等の急進的推進による社会的影響への懸念に関する質問主意書(2025年1月24日)

質問

回答

LGBT当事者からの懸念を含む様々な議論が交錯する中で、「性的指向及びジェンダーアイデンティティの多様性に関する国民の理解の増進に関する法律」(以下「LGBT理解増進法」という。)が二〇二三年六月二十三日に公布され、施行された。

性的指向は、公共の福祉に反しない限り、個人の自由として尊重されるべきであり、その是非を他人が判断することは適切ではない。LGBT理解増進法は、国や地方自治体、事業主、学校設置者に対して理解増進のための具体的な施策の策定や教育の推進、相談体制の整備などを求めている。この法律により、性的指向やジェンダーアイデンティティに関する専門家や活動家が社会の様々な場面で積極的に活動し、その理念を浸透させる基盤が整えられた。

性的指向やジェンダーアイデンティティに関する議論は、哲学や社会学、フェミニズム理論、さらには批判理論など多様な学問分野から発展してきたものであるが、一部ではその思想がマルクス主義や批判的人種理論に影響を受けていると指摘される。これらの議論は、時に過激な運動の根拠となり得るため、慎重なアプローチが必要である。

実際に、急進的な施策が社会の分断や対立を深刻化させた事例は世界各地で見られる。例えば、二〇一六年、米国のあるLGBT団体が受け取った公費の一部が政府政策に反対する過激な抗議活動に使用されたとして、一部が暴徒化し、法的問題に発展した。二〇一九年には、カナダ・オンタリオ州で、学校のジェンダー教育に対する抗議が暴力事件にエスカレートし、警察が複数名を拘束する事態となった。さらに、二〇二一年には米国バージニア州ラウドン郡で批判的人種理論の教育課程導入を巡る保護者同士の対立が暴力沙汰となり警察が介入した。同年、オランダ・アムステルダムのイベントにおいて反対派が暴力を振るい警察が介入し、一方でプライド運動を支援する活動家の発言が更なる対立を誘発する事態となった。

これらの事例からも、諸外国では、国民から十分な理解を得られていない急進的政策が社会の分断を引き起こしていることは明らかである。これらの政策に影響を及ぼしたとみられる批判的人種理論は、特に教育現場や職場における「構造的差別」を再定義し、それに基づく改革を促す理論として知られているが、保守派からは「逆差別」を助長し、若者への過剰な思想教育につながると強く批判されている。LGBTに関する政策に対しても、保守派の間では一部の活動が従来の家庭観や宗教的価値観を侵害する可能性があると主張されており、これらの批判はしばしば法廷闘争の場でも展開されている。

このような背景から、日本においても急進的な思想や政策が過激な運動の理論的基盤として利用される危険性が指摘されている。その結果、この急進的な思想が公共政策に影響を及ぼし、公費が特定のイデオロギーの拡大に利用される可能性について、慎重な分析と議論が必要である。この点を踏まえれば、「LGBT理解増進法」が掲げる「理解の増進に関する施策」が、特定の価値観の押し付けや社会の分断を招いたり、施策の実施が目的を逸脱したりしないように社会全体で監視と議論を続けることが強く求められている。

前記を踏まえて、質問する。

神谷宗幣(参政党)
性的指向やジェンダーアイデンティティに関する教育が、批判理論や特定の思想に偏らず、中立性を保ちながら進められるよう、どのような指針や監督体制が設けられているのか示されたい。

政府
お尋ねの意味するところが必ずしも明らかではないが、例えば、教育基本法(平成十八年法律第百二十号)第十六条第一項において、「教育は、不当な支配に服することなく、この法律及び他の法律の定めるところにより行われるべきものであり、教育行政は、国と地方公共団体との適切な役割分担及び相互の協力の下、公正かつ適正に行われなければならない」とされていることを踏まえ、適切に対応しているものと認識している。

神谷宗幣(参政党)
性的指向やジェンダーアイデンティティに関する教育が、批判理論や特定の思想に偏らず、中立性を保ちながら進められるよう、どのような指針や監督体制が設けられているのか示されたい。

政府
お尋ねの意味するところが必ずしも明らかではないが、例えば、教育基本法(平成十八年法律第百二十号)第十六条第一項において、「教育は、不当な支配に服することなく、この法律及び他の法律の定めるところにより行われるべきものであり、教育行政は、国と地方公共団体との適切な役割分担及び相互の協力の下、公正かつ適正に行われなければならない」とされていることを踏まえ、適切に対応しているものと認識している。

神谷宗幣(参政党)
公費が極端な思想の支援や特定の活動家による利用に流用されることを防ぐため、政府はどのような監視体制や防止策を設けているのか示されたい。

政府
お尋ねの「極端な思想の支援や特定の活動家による利用に流用されること」の意味するところが必ずしも明らかではないが、理解増進施策に係る事業の経費については、当該事業を所管する府省庁において、関係法令に基づき適正に管理されているものと承知している。

神谷宗幣(参政党)
性的指向やジェンダーアイデンティティに関する施策の実施に際して、その過激化を懸念する国民の意見をどのように取りまとめ、どのように施策に反映していくのか示されたい。

政府
お尋ねの「特定のイデオロギーや価値観の押し付け」、「過激化を懸念する国民の意見」及び「過激なイデオロギーの拡散」の意味するところが必ずしも明らかではないが、性的指向及びジェンダーアイデンティティの多様性に関する国民の理解の増進に関する法律(令和五年法律第六十八号。以下「法」という。)第三条において「性的指向及びジェンダーアイデンティティの多様性に関する国民の理解の増進に関する施策は、全ての国民が、その性的指向又はジェンダーアイデンティティにかかわらず、等しく基本的人権を享有するかけがえのない個人として尊重されるものであるとの理念にのっとり、性的指向及びジェンダーアイデンティティを理由とする不当な差別はあってはならないものであるとの認識の下に、相互に人格と個性を尊重し合いながら共生する社会の実現に資することを旨として行われなければならない」とされているところ、政府としては、法第八条第一項に規定する基本計画の策定に当たっては、法第三条の基本理念にのっとり、法第九条の学術研究等の成果を踏まえるとともに、国民の多様な意見や事情を丁寧に聴取することとしている。また、法第七条の規定に基づき、毎年一回、性的指向及びジェンダーアイデンティティの多様性に関する国民の理解の増進に関する施策(以下「理解増進施策」という。)の実施の状況を公表している。

神谷宗幣(参政党)
性的指向やジェンダーアイデンティティに関する施策が過激なイデオロギーの拡散に利用されることを防ぐため、政府はどのような視点で対策を講じ、社会の安定を維持していくのか示されたい。

政府
お尋ねの「特定のイデオロギーや価値観の押し付け」、「過激化を懸念する国民の意見」及び「過激なイデオロギーの拡散」の意味するところが必ずしも明らかではないが、性的指向及びジェンダーアイデンティティの多様性に関する国民の理解の増進に関する法律(令和五年法律第六十八号。以下「法」という。)第三条において「性的指向及びジェンダーアイデンティティの多様性に関する国民の理解の増進に関する施策は、全ての国民が、その性的指向又はジェンダーアイデンティティにかかわらず、等しく基本的人権を享有するかけがえのない個人として尊重されるものであるとの理念にのっとり、性的指向及びジェンダーアイデンティティを理由とする不当な差別はあってはならないものであるとの認識の下に、相互に人格と個性を尊重し合いながら共生する社会の実現に資することを旨として行われなければならない」とされているところ、政府としては、法第八条第一項に規定する基本計画の策定に当たっては、法第三条の基本理念にのっとり、法第九条の学術研究等の成果を踏まえるとともに、国民の多様な意見や事情を丁寧に聴取することとしている。また、法第七条の規定に基づき、毎年一回、性的指向及びジェンダーアイデンティティの多様性に関する国民の理解の増進に関する施策(以下「理解増進施策」という。)の実施の状況を公表している。

LGBT理解増進法における「不当な差別」の定義の明確化に関する質問主意書(2024年6月14日)

質問

回答

LGBT理解増進法の施行に当たり懸念される事項に関する質問主意書(令和五年六月十四日、第二百十一回国会質問第一〇八号、以下「本件質問主意書」という。)に対して、答弁書(令和五年六月二十三日、内閣参質二一一第一〇八号、以下「本件答弁書」という。)が送付された。本件答弁書では、本件質問主意書の差別の定義、理解増進の活動、公金の適正な使用等に関する質問に対し、「今後検討する」との答弁がなされた。

同法律は「性的指向」や「ジェンダーアイデンティティ」について、「不当な差別はあってはならない」とする一方で、どのような行為が「不当な差別」に当たるのかを明示していない。本件答弁書でも「差別」の定義は説明されず、定義を明示しない理由も明確にはされなかった。

この法案は審議の際、国民の理解増進を目的としており、何かを禁止し規制する法律ではないと繰り返し説明されてきた。一方、現状では、地方自治体など行政では同法律に基づき、「理解増進」のための施策実施を求められていることにより、それに伴い様々な取り組みが展開されている。これにより、自治体における施策や条例制定が具体的な基準も不明瞭にされたまま進められており、地域社会における無用な対立や混乱を惹起させることにつながらないか、懸念される。

こうした中、令和六年二月、「共生社会と人権」に関するシンポジウムでのビデオメッセージ(以下「本件メッセージ」という。)において岸田総理大臣は、「雇用や入居などの場面やインターネット上において、外国人、障害のある人、アイヌの人々、性的マイノリティの人々などが不当な差別を受ける事案を耳にすることも少なくありません」と述べた。しかし、具体的な事例やデータも示さないで行われたこの発言は、日本における差別が広がっているとの誤解を招きかねない。差別の定義づけも例示もないため、具体的にどのような事案を指して「不当な差別」と言っているのか、その根拠が判然としない。このような発言が、いっそう地方自治体、地域社会、さらには行政や企業活動のあらゆる現場における混乱を招きかねないのではないか。

以上を踏まえ、以下、質問する。

神谷宗幣(参政党)
政府が考える「差別」の具体的な定義を示されたい。これまで明確に示されなかった理由は何か。

政府
前段のお尋ねについては、御指摘の「政府が考える「差別」」の意味するところが必ずしも明らかではないが、「差別」とは、一般に、「差をつけて取りあつかうこと。(出典 広辞苑)」を意味するものとされていると承知している。後段のお尋ねについては、「差別」という語は、様々な文脈で用いられていることから、御指摘のように「明確に示」すことが困難であることによる。

神谷宗幣(参政党)
本件メッセージで言及された「性的マイノリティの人々などが不当な差別を受ける事案」は、いつどのようなところでどの期間に何件、どのような具体的内容で起きているのか。また、それを不当な差別とする根拠は何か。

政府
お尋ねの趣旨が必ずしも明らかではないが、御指摘の「性的マイノリティの人々などが不当な差別を受ける事案」について網羅的にお答えすることは困難であり、また、一部の「事案」のみを殊更に示すことは予断を与えるおそれがあることから差し控えたい。なお、法務省の人権侵犯事件統計によれば、同省の人権擁護機関が令和五年において新規に救済手続を開始した人権侵犯事件のうち、「性的指向」又は「性自認」を理由として受けた「差別待遇」に関するものの件数は、二十二件である。

神谷宗幣(参政党)
本件質問主意書において、LGBT理解増進法施行後に民間団体への委託事業の実施と公的資金の管理方法について問うたのに対し、本件答弁書は、今後検討する旨の答弁がされた。本法施行から一年近くが経過するため、その後の検討状況について具体的に説明されたい。

政府
性的指向及びジェンダーアイデンティティの多様性に関する国民の理解の増進に関する法律(令和五年法律第六十八号。以下「法」という。)第一条に規定する性的指向及びジェンダーアイデンティティの多様性に関する国民の理解の増進に関する施策に係る事業の民間団体への委託については、委託する事業の趣旨目的を踏まえ、必要に応じて実施されているところであり、その経費については、当該事業を所管する府省庁において、関係法令に基づき適正に管理されているものと承知している。

神谷宗幣(参政党)
本法律に従い、国及び地方公共団体が国民の理解の増進に関する諸施策を進め、また、事業者がその経営陣及び従業者の理解の増進に努めさせるにあたり、政府は、どのような具体的な指針等を示しているのか。分野別に示されたい。

政府
お尋ねの意味するところが必ずしも明らかではないが、政府としては、法第八条第一項に規定する性的指向及びジェンダーアイデンティティの多様性に関する国民の理解の増進に関する基本的な計画及び法第十二条に規定する指針の策定に向け、関連する施策の整理も含め、検討を行っているところである。

神谷宗幣(参政党)
前記三に関連して、政府は国民の理解を増進する具体的内容をどのように定めているのか。行き過ぎを防ぎ、是正して無用な社会の混乱・分断を招かないためにはどのような方策をとっているのか、明らかにされたい。

政府
お尋ねの意味するところが必ずしも明らかではないが、政府としては、法第八条第一項に規定する性的指向及びジェンダーアイデンティティの多様性に関する国民の理解の増進に関する基本的な計画及び法第十二条に規定する指針の策定に向け、関連する施策の整理も含め、検討を行っているところである。

LGBT理解増進法施行後の性教育の懸念に関する質問主意書(2024年4月1日)

質問

回答

諸外国では、性教育、特にLGBTQに関する教育が成長期にある若者の性に関する理解に混乱を招いているとして、性教育政策の見直しに対する議論が進んでいる。

若年層が、成長過程で迷いや違和感を覚えることは自然なことであり、性に関しても例外ではない。若年時の迷い等から、性転換のような自身の体に取り返しのつかない決断をしてしまい、後に深く後悔する深刻なケースも報告されている(「IRREVERSIBLE DAMAGE, The Transgender Craze Seducing Our Daughters」、アビゲイル・シュライアー著)。

特に米国では、性教育が子どものアイデンティティ形成に混乱をもたらすことを懸念した多くの州で、幼稚園や小中高での性的指向や性自認に関する教育を禁止や制限する州法が制定されてきた。例えば、フロリダ州では、学校現場で性的指向や性自認についての議論を禁止する法律が制定された。ルイジアナ州、ミシシッピ州、オクラホマ州、テキサス州では、性教育を異性間の行為に限定する法が制定され、テネシー州、モンタナ州では、保護者が性的指向や性自認に関する議論から子どもを外すことを選択できる法律が制定された。さらに、アリゾナ州、アラバマ州、オハイオ州など少なくとも十五州で学校でのLGBTQに関する議論を抑制する法案が検討されている。

イギリスでは、二〇一九年に「新しい性教育指針」を示し、学校は性教育の内容について親との協議が必要であり、初等学校で性教育を実施する場合には親が子供を授業から退席させることができる権利を認めている。

一方、我が国においては、二〇二三年六月にLGBT理解増進法が施行された。そのため、「LGBT理解増進法の施行に当たり懸念される事項に関する質問主意書」(第二百十一回国会質問第一〇八号、以下「本件質問主意書」という。)を提出し、学校現場における教育等について質問を行った。これに対して、答弁書(内閣参質二一一第一〇八号)が送付されたところ、本件質問主意書の多くの質問について「今後検討する」との答弁がされた。

そのため、以上を踏まえ、以下質問する。

神谷宗幣(参政党)
米国を含む諸外国で見られる性教育に関する規制の動向を踏まえ、我が国での性教育の方向性について政府はどのような考えを有しているか示されたい。

政府
御指摘の「性教育」の具体的な範囲が必ずしも明らかではないが、学校における性教育については、例えば、「中学校学習指導要領(平成二十九年告示)解説 保健体育編」(平成二十九年七月文部科学省。以下「解説保健体育編」という。)において、「思春期には、下垂体から分泌される性腺刺激ホルモンの働きにより生殖器の発育とともに生殖機能が発達し、男子では射精、女子では月経が見られ、妊娠が可能となることを理解できるようにする。また、身体的な成熟に伴う性的な発達に対応し、個人差はあるものの、性衝動が生じたり、異性への関心などが高まったりすることなどから、異性の尊重、性情報への対処など性に関する適切な態度や行動の選択が必要となることを理解できるようにする。」と記述するなど、児童生徒の発達段階に応じて適切に指導することとしている。

神谷宗幣(参政党)
前述のように性に関する意識が未熟な若年層への教育には、特に慎重な対応が求められる。現状、政府が指針を示さないまま、教育機関が手探りでLGBTに関する教育を進める状況になっているのではないか。このような状況では、教育内容にばらつきが生じ、行き過ぎた性教育が行われるリスクを高める可能性があるのではないか。性的マイノリティーを含む若年層への性教育において、混乱を避けるための具体的なガイドラインを策定しているか示されたい。また、策定している場合、その内容を示されたい。

政府
「現状、政府が指針を示さないまま、教育機関が手探りでLGBTに関する教育を進める状況になっているのではないか」及び「このような状況では、教育内容にばらつきが生じ、行き過ぎた性教育が行われるリスクを高める可能性があるのではないか」とのお尋ねについては、御指摘の「教育機関が手探りでLGBTに関する教育を進める状況」及び「行き過ぎた性教育」の意味するところが明らかではないため、お答えすることは困難であり、「性的マイノリティーを含む若年層への性教育において、混乱を避けるための具体的なガイドラインを策定しているか」及び「策定している場合、その内容を示されたい」とのお尋ねについては、御指摘の「性的マイノリティーを含む若年層への性教育において、混乱を避けるための具体的なガイドラインを策定しているか」の意味するところが必ずしも明らかではないが、学校における性教育については、一についてで述べたとおり、児童生徒の発達段階に応じて適切に指導することとしている。なお、学校における性的指向等の多様性に関する理解の増進については、「「性的指向及びジェンダーアイデンティティの多様性に関する国民の理解の増進に関する法律」の公布について(通知)」(令和五年六月二十三日付け五文科教第五百九十二号文部科学省総合教育政策局長、初等中等教育局長及び高等教育局長連名通知)において、「文部科学省では教育基本法(平成十八年法律第百二十号)第十三条に基づく学校、家庭及び地域住民の相互の連携及び協力を前提として、これまでも、学校教育や社会教育における人権教育を通して、児童生徒等の発達段階に応じて、多様性に対する理解、自他の人権の尊重等の態度を育む取組を進めるとともに、性同一性障害や性的指向等に係る児童生徒等へのきめ細かな対応に資するよう、他の児童生徒等への配慮の観点も含め、教職員向けの啓発資料や研修動画の作成・周知、改訂版生徒指導提要への性的マイノリティに関する記載の追加等の取組を行ってきたところですが、本法の趣旨や関係規定に基づき、これらの取組を引き続き推進してまいります。」としているところである。

神谷宗幣(参政党)
報道によれば、首都圏と近畿圏の一部の私立女子中学校・高校では、戸籍上は男性だが女性と自認する生徒の受け入れが検討されているとのことである。政府は、性自認が女性である男性の女子校への入学に関し、どのように考えているか示されたい。

政府
私立の中学校及び私立の高等学校において、どのような生徒を入学させるかについては、各学校の設置者等において適切に判断されるべきものと考えている。

神谷宗幣(参政党)
若年層に対する性転換手術について、諸外国の例を見ると大きなリスクと懸念が伴うことが明らかである。政府として、前述したような諸外国の例を承知しているか。また、政府はこれら諸外国の事例を研究し、そのリスクと懸念をどのように評価しているか。さらに、将来的に我が国でも同様の事例が増える可能性があるが、この点について、若年層を保護するためにどのような対策を考えているか示されたい。

政府
御指摘の「諸外国の例」及び「同様の事例」の具体的な内容が明らかではないため、お尋ねについてお答えすることは困難であるが、いずれにせよ、御指摘の「若年層に対する性転換手術」については、公益社団法人日本精神神経学会が作成した「性同一性障害に関する診断と治療のガイドライン(第四版改)」(以下「ガイドライン」という。)において、「性別適合手術を施行するための条件」として、「手術の範囲、方法、予想される効果、起こり得る合併症・随伴症状などについて十分な説明を行い、理解したうえで手術法が決定されたことを文書に明記して保存すること」、「成年に達していること」等の記載がなされていると認識しており、「性別適合手術」を行うに当たっては、ガイドラインの記載内容を踏まえ、適切に対応されるべきものと考えている。

神谷宗幣(参政党)
政府は、性別に違和感を持つ子どもに対するホルモン治療や性転換手術について、親の同意や関与の必要性をどのように考えているのか示されたい。

政府
お尋ねについては、御指摘の「ホルモン治療や性転換手術」を受けようとする者の判断能力は様々であることから、一概にお答えすることは困難であるが、ガイドラインにおいて、「性別適合手術を施行するための条件」として「成年に達していること」等の記載がなされ、「ホルモン療法を施行するための条件」として「ホルモンによる治療は原則として十八歳以上であること」、「未成年者については親権者など法定代理人の同意を得ること」等の記載がなされていると認識しており、医療を行う医師等において、個々の事例に即して適切に判断されるべきものと考えている。

神谷宗幣(参政党)
本件質問主意書の質問四、質問五について、その後の検討状況を示されたい。

政府
お尋ねのうち、先の質問主意書(令和五年六月十四日提出質問第一〇八号。以下「前回質問主意書」という。)四については、学校における性教育については、一についてで述べたとおり、児童生徒の発達段階に応じて適切に指導することとしており、また、学校における性教育の指導については、例えば、解説保健体育編において、「指導に当たっては、発達の段階を踏まえること、学校全体で共通理解を図ること、保護者の理解を得ることなどに配慮することが大切である。」と記述するなど、保護者の理解を得ることに配慮して行うこととしている。前回質問主意書五については、御指摘の「日本社会にふさわしい施策」の意味するところが必ずしも明らかではないが、政府としては、性的指向及びジェンダーアイデンティティの多様性に関する国民の理解の増進に関する法律(令和五年法律第六十八号)第十条第一項に定める「心身の発達に応じた教育及び学習の振興」に努めるとともに、同条第三項に定める「学校の設置者及びその設置する学校」が「家庭及び地域住民その他の関係者の協力を得つつ、教育又は啓発、教育環境に関する相談体制の整備その他の必要な措置を講ずる」ことができるよう取り組んでまいりたい。

女性専用スペースの保護に関する質問主意書(2023年12月13日)

質問

回答

今年六月に公布・施行された性的指向及びジェンダーアイデンティティの多様性に関する国民の理解の増進に関する法律(以下「LGBT法」という。)については、法案審議以前から、法律の規定等の理解に幅があることなどの影響により、風呂、トイレ、更衣室などの女性専用スペースの利用に混乱が生じるのではないかという懸念が女性団体などから上がっていた。それを反映し、法案成立後すぐに「全ての女性の安心・安全と女子スポーツの公平性等を守る議員連盟」も発足している。

このような懸念を裏付けるように、三重県桑名市にある温泉施設の女性風呂に、女装した男性が侵入し建造物侵入の現行犯で逮捕されるという事件(以下「本件事件」という。)も発生している。報道によれば、容疑者男性は「心が女なので、なぜ女子風呂に入ってはいけないのか全く理解できない」と供述していたという。

厚生労働省が示す公衆浴場における衛生等管理要領等では浴場と脱衣所を男女別に区分することが定められている。同省のこの要領等では、この男女の区分を身体的特徴により行い、運用するとしている。この運用に従うなら、桑名市の事件で逮捕された男性については、その内心に関わらずこうした社会通念で認められるべきところの公衆浴場運用ルールを逸脱したものであることは明らかである。

一方、労働安全衛生規則によっても、事業者は特定の条件のもとで、男女別のトイレや休養室又は休養所を設ける義務がある。しかし、同規則では、男女の区分を身体的特徴に基づいて行うという内容は見当たらない。また、更衣室については男女別に設置するという内容も見当たらない。この点は、公衆浴場の要領の場合とは異なっている。

本件事件を契機として、女子トイレ、女子更衣室などの他の形態の女性専用スペースの安全性について、「基準があいまいになった形では安心して利用できない」と、女性から不安の声が上がっている。このような女性の不安は、何も自認する性別に基づいて生活を送りたいと考える人々を尊重しないという趣旨ではなく、同法を奇貨として、女性スペースに近づく男性がいるのではないかということに対する不安である。性犯罪の圧倒的多数が男性から女性に対するものであり、トイレや更衣室は、度々性犯罪(盗撮やのぞき行為等も含む)の発生場所となってきたことも、こうした不安の根拠となっている。

今後も、女性スペースの整備と利用について運用規定などがLGBT法施行の影響で曖昧化し、矛盾を来しているような状況を放置すれば、桑名市のような事件よりも重大な事件が発生していく可能性がある。自認する性別に基づいて社会生活を送る権利を尊重しつつ、特に犯罪の起きやすい空間については、物理的に犯罪を誘発することを避ける措置をとり、圧倒的多数の女性が安心して利用できることでその人権を守るという視点が必要と考える。

以上を踏まえ、質問する。

神谷宗幣(参政党)
女性専用スペースの安全な利用に関する懸念が高まっている状況下、政府は実際に起きている事件などに鑑み、どのような措置を検討しているか。公衆浴場、トイレ、休憩所他の設置や管理、利用に関わる要領、基準について安心・安全をより確保するための改定や新たなルール設定など、具体的な検討を行っているか、示されたい。

政府
御指摘の「女性専用スペース」、「実際に起きている事件など」及び「トイレ、休憩所他」の具体的に指し示す範囲が必ずしも明らかではなく、また、お尋ねの「明確に禁ずる必要」については、個々の施設の状況によって様々であり、一概にお答えすることは困難であるため、それを前提としたお尋ねにお答えすることは困難であるが、例えば、御指摘の「公衆浴場」における男女の取扱いについては、「公衆浴場や旅館業の施設の共同浴室における男女の取扱いについて」(令和五年六月二十三日付け薬生衛発〇六二三第一号厚生労働省医薬・生活衛生局生活衛生課長通知)において、「風紀の観点から混浴禁止を定めている趣旨から、身体的な特徴をもって判断する」こととしているところであり、引き続き、その内容について全国健康関係主管課長会議等を通じて周知に努めることとしている。また、事業場における御指摘の「トイレ、休養室、休養所」については、労働安全衛生規則(昭和四十七年労働省令第三十二号)第六百十八条及び第六百二十八条第一項第一号の規定に基づき、男性用と女性用に区別して設けなければならないとされているところ、御指摘の「性的マイノリティの人々」によるこれらの設備の利用に関しては、例えば労働安全衛生法(昭和四十七年法律第五十七号)第十八条第一項に規定する衛生委員会等の場における議論を行いながら、個別の事業場ごとにその状況に応じた御指摘のような「ルール」を整備することが望ましいと考えている。

神谷宗幣(参政党)
令和五年七月十一日、最高裁は、性同一性障害である旨の医師の診断を受けた公務員の庁内の女性トイレ使用について、個別具体的な判断を行い、職場の女性トイレを自由に使用させることを含め、原則として女性職員と同等の処遇を行うこと等を内容とする行政措置の要求を認めなかった人事院に対して裁量権を逸脱していると判断したが、少なくとも「身体的性と性自認が異なる」場合に本人の性自認の主張のみを基準に女性専用スペース(浴場、トイレ、休養室、休養所、更衣室など)に立ち入ることについては、他の女性の精神的安寧、人権を脅かすおそれがあることから、明確に禁ずる必要があるのではないか。そうした基準を性的マイノリティの人々を含めた社会のコンセンサスにしていく取組が求められているのではないか。「LGBT法」施行後に求められる課題として、政府は以上に関しての認識を示されたい。

政府
御指摘の「女性専用スペース」、「実際に起きている事件など」及び「トイレ、休憩所他」の具体的に指し示す範囲が必ずしも明らかではなく、また、お尋ねの「明確に禁ずる必要」については、個々の施設の状況によって様々であり、一概にお答えすることは困難であるため、それを前提としたお尋ねにお答えすることは困難であるが、例えば、御指摘の「公衆浴場」における男女の取扱いについては、「公衆浴場や旅館業の施設の共同浴室における男女の取扱いについて」(令和五年六月二十三日付け薬生衛発〇六二三第一号厚生労働省医薬・生活衛生局生活衛生課長通知)において、「風紀の観点から混浴禁止を定めている趣旨から、身体的な特徴をもって判断する」こととしているところであり、引き続き、その内容について全国健康関係主管課長会議等を通じて周知に努めることとしている。また、事業場における御指摘の「トイレ、休養室、休養所」については、労働安全衛生規則(昭和四十七年労働省令第三十二号)第六百十八条及び第六百二十八条第一項第一号の規定に基づき、男性用と女性用に区別して設けなければならないとされているところ、御指摘の「性的マイノリティの人々」によるこれらの設備の利用に関しては、例えば労働安全衛生法(昭和四十七年法律第五十七号)第十八条第一項に規定する衛生委員会等の場における議論を行いながら、個別の事業場ごとにその状況に応じた御指摘のような「ルール」を整備することが望ましいと考えている。

神谷宗幣(参政党)
当面、「LGBT法」施行による新たな条件下に対応して性犯罪を予防し、公共スペースでの安全を確保するために、政府はどのような社会教育及び学校教育での計画を策定し、実施しているか。社会的な啓発活動に関してはいかなる施策を実施しているか。現状での実施状況とその効果、見通しについて具体的に示されたい。

政府
お尋ねの「「LGBT法」施行による新たな条件下に対応して性犯罪を予防し、公共スペースでの安全を確保するために、政府はどのような社会教育及び学校教育での計画を策定」及び「社会的な啓発活動」の具体的に意味するところが明らかではないため、お答えすることは困難である。いずれにせよ、政府としては、性的指向及びジェンダーアイデンティティの多様性に関する国民の理解の増進に関する法律(令和五年法律第六十八号)に基づく取組を適切に進めるとともに、性犯罪・性暴力の根絶に向けた取組を進めているところである。

 

LGBT理解増進法の施行に当たり懸念される事項に関する質問主意書(2023年6月14日)

質問

回答

「性的指向及びジェンダーアイデンティティの多様性に関する国民の理解の増進に関する法律案」(第二百十一回国会衆第一三号)は、G7に間に合わせることを目的に拙速な議論が与党でなされたに過ぎないものであり、この課題が抱える多くの論点について慎重な検討が欠けていると思われる。本来、様々な立場からの指摘を取り上げて慎重に審議していくべき本法案は、二〇二三年六月九日、衆議院内閣委員会で審議入りし、三案が乱立する状況にもかかわらず短時間で審議を終え、同日早朝に新たに提出された修正案が即日採決されるという極めて異例な経過をたどっている(以下、衆議院において修正議決された案を「本法案」という。)。

本法案の内容は、政府が基本計画を策定するとともに、国及び地方公共団体が施策を策定・実施することを求めている。それだけではなく、事業者には、普及啓発、就業環境の整備を求めているほか、国や地方公共団体が行う施策に協力するよう求め、学校にも教育、啓発、教育環境の整備、国や地方公共団体が行う施策への協力を求めている。加えて、学校における教育や啓発は、家庭、地域住民、その他の関係者の協力を得ることとされている。本法案は、社会全体に極めて大きな影響を及ぼすものであることは明らかである。

本法案について、国民からは、性犯罪の増加など女性の権利侵害、スポーツ界におけるジェンダー問題、そして、アイデンティティの確立していない子供の発達への悪影響など、諸外国が直面してきた社会的混乱が日本でも生じるのではないかという強い懸念の声、男系による皇位継承を定める皇室存続の危機につながるのではないかという不安の声が多数上がっている。しかし、前出のように衆議院では拙速な審議を経て採択され、こうした懸念、危惧に正面から応えることになっていない。

当事者団体からも、「揺らぎのあるアイデンティティをカテゴライズされることが不快感を覚える」、「これまで生活者の立場で、医療機関や金融機関、行政で差別を受けたことはなかった」、「LGBT活動家は当事者の代表ではない。一部の活動家だけではなく、当事者のリアルな声も報道してほしい」と、マスコミが一部の活動家による主張ばかりを取り上げ、本当のマイノリティの声がかき消されている現実がある、と立法化そのものへの疑問の声が上がっている。

このように、理解増進を目的にしていたはずの本法案は、かえって当事者に対するタブー意識を強めるという皮肉な結果を招いている。本法案の成立によって、現在平穏の中で生活している「そっとしておいてほしい」と考える当事者の願いに背を向けることにもなりかねず、ひいては国民全体を不幸にすることになってしまう。

政治に必要なのは、形式的な法制化ばかりではなく、当事者や周辺が抱える具体的な問題に焦点を当て、解決への道筋を探ることである。しかし、本来、慎重な審議の中でこれらの重要な役割を果たすべき衆議院内閣委員会で、当事者不在のまま、議論らしい議論を行わず採決に至った。

岸田総理は、六月八日の参議院財政金融委員会において、本法案について、「様々な国民の皆さんの声を受け止めながら取組を進めていかなければならない」と答弁しているが、様々な国民の声は、法制化の前に十分に受け止められるべきものであり、岸田総理の答弁は、順序を取り違えている。

性的指向を理由に性的少数者を差別することが許されないのは当然である。我が国では、憲法第十四条において、「人種、信条、性別、社会的身分又は門地により、政治的、経済的、社会的関係において、差別されない」という平等原則を定めており、判例、学説上、「合理的区別」を除く「一切の差別」が禁止されている。報道で「G7の中で唯一、同性カップルに対して国として法的な権利を与えず、LGBTQに関する差別禁止規定を持たない」などとされていることは、完全な事実誤認である。

もとより、性的少数者に対する過酷な差別の歴史を有する西洋とは異なり、日本は、マイノリティに寛容な国である。武士の生活文化の一部では同性愛が認められていた歴史があり、現在の芸能界でも女性的な男性タレントが活躍するなど、多様な性の形が受容されている。これらの歴史的事実や今日の実情に顧みるなら、あえて「理解増進」を法制化しなければならないような国柄ではないと言える。

この問題で先行している欧米諸国では、行き過ぎた政策による混乱や弊害が生じ、歯止めをかけるなど見直しの動きが進んでいる国も多数ある。アメリカの人権団体であるヒューマンライツキャンペーンは、全米の州法全体で反LGBTQ法案が着実に増えており、二〇二三年には五百本超が提出されているとしており、また、アメリカ自由人権協会は、二〇二三年にアメリカで成立している反LGBTQ法案は、十九州六十四法案があることを指摘している。先行事例を見れば、拙速な法制化が健全な教育や社会常識を損ない、無用な社会の混乱・分断を招くことは明らかである。

以上を踏まえ、質問する。

神谷宗幣(参政党)
本法案の法制化について、当事者団体からは、本当のマイノリティの声がかき消されている現実がある、との声が上がっている。この点、「国民の理解が必ずしも十分でない現状」について、政府はどのように解釈しているか。

政府
お尋ねの「「国民の理解が必ずしも十分でない現状」について、政府はどのように解釈」の意味するところが必ずしも明らかではないが、御指摘の「本法案」第一条の「国民の理解が必ずしも十分でない現状」については、令和五年六月十五日の参議院内閣委員会において、性的指向及び性同一性の多様性に関する国民の理解の増進に関する法律案に対する修正案(以下「修正案」という。)の提案者から、「今回修正によって法案の目的規定に現状認識を明記し、本法案が理解の増進に関する法律案であることをより明確にしたことにこの修正の意義がある」旨の説明がなされたものと承知している。

神谷宗幣(参政党)
本法案第二条では、「ジェンダーアイデンティティ」の定義として、「自己の属する性別についての認識に関するその同一性の有無又は程度に係る意識をいう」とされている。これには、「性自認」を含むことになるのかについて、政府としてどう解釈し、運用するか。

政府
御指摘の「性自認」の具体的に意味するところが明らかではないため、お答えすることは困難である。

神谷宗幣(参政党)
本法案第三条では、「ジェンダーアイデンティティを理由とする不当な差別はあってはならない」と定められている。しかし、「差別」とされる内容は明示されていない。「差別」と「合理的区別」の定義について、政府はどのように解釈し、運用するか。

政府
御指摘の「合理的区別」の具体的に意味するところが必ずしも明らかではないが、令和五年六月九日の衆議院内閣委員会において、修正案の提案者から、「本法案については、誰かに個別的に具体的な権利を与えるものでもありませんし、個別具体的な事案について何が差別かということを判断するものではないということを踏まえた上で、御指摘のとおり、憲法上も、合理的な理由に基づく区別なり別異の取扱いはもう既に認められているというところでありまして、それをあえて本法の存在ゆえに変えるものではない」旨の説明がなされたものと承知している。

神谷宗幣(参政党)
本法案では、幼稚園及び特別支援学校の幼稚部を除く学校の児童及び生徒に対し、性的指向及びジェンダーアイデンティティの多様性に関する教育を行う旨が定められている。この点、政府は、「学校教育法施行規則の一部を改正する省令案並びに幼稚園教育要領案、小学校学習指導要領案及び中学校学習指導要領案に対する意見公募手続き(パブリックコメント)に寄せられた御意見等について」の中で、「性的マイノリティについて規定し、保健体育科などの「異性への関心」を削除すべき」との意見に対し、「体育科、保健体育科においては、個人差はあるものの、心身の発育・発達に伴い、「異性への関心が芽生えること」等は思春期の主な特徴の一つとして必要な指導内容です。また、体育科・保健体育科で、上記通知で言及されているいわゆる「性的マイノリティ」について指導内容として扱うことは、個々の児童生徒の発達の段階に応じた指導、保護者や国民の理解、教員の適切な指導の確保などを考慮すると難しいと考えています。」と回答している。本法施行に当たっては、個々の児童生徒の発達の段階に応じた指導が行われることが確保されるという理解でよいか。また、保護者や国民の理解が進まない段階で実施されることはないということでよいか。政府の認識を示されたい。

政府
御指摘の「本法案」は、議員立法として提出され、令和五年六月十六日に成立し、同月二十三日に施行されるところ、政府としては、その趣旨を踏まえ、御指摘の点について、今後検討してまいりたい。

神谷宗幣(参政党)
アメリカではLGBTを子供たちに教えるべきかどうかをめぐって、対立が深まっている。海外のLGBT対策の現状と問題点を踏まえ、日本社会にふさわしい施策について今後どのような方向性をもって決定していくのか。政府が考えるプロセスを示されたい。

政府
御指摘の「本法案」は、議員立法として提出され、令和五年六月十六日に成立し、同月二十三日に施行されるところ、政府としては、その趣旨を踏まえ、御指摘の点について、今後検討してまいりたい。

神谷宗幣(参政党)
岩手県や愛媛県の職員対応マニュアルでは、性自認に基づいたトイレの使用で他の利用者から苦情が出た場合、「様々な方が利用するみんなの施設であることを説明し、苦情を出された方に理解を求めましょう」等と定められているという。衆議院内閣委員会では、法案提出議員から「本法案は、理念法であり、個々人の行動を制限したりまた何か新しい権利を与えたりするようなものではない。したがって、女性トイレや公衆浴場の施設等の利用やスポーツ大会等への参加ルールについて現状の在り方を変えるものではない」と説明されていたが、岩手県や愛媛県の事例から分かるとおり、実際には、「理解増進」のためにトイレの利用を始め、社会の現状の在り方を変更する必要が生じることが想定されている。本法案は、施行によって女性や子供の権利や安全が侵害される懸念があるとの指摘を受け、第十二条において「この法律に定める措置の実施等に当たっては(中略)全ての国民が安心して生活することができることとなるよう、留意するものとする」と規定しているが、政府としては、本法施行後、どのようなことに「留意する」ことが国民の懸念や不安に対して応えていくことになり、女性や子供の権利や安全を守ることになると考えるか、具体的に示されたい。

政府
御指摘の「本法案」は、議員立法として提出され、令和五年六月十六日に成立し、同月二十三日に施行されるところ、政府としては、その趣旨を踏まえ、御指摘の点について、今後検討してまいりたい。

神谷宗幣(参政党)
衆議院内閣委員会では、本法案は「理念法」であり、「予算」を伴うものではないと説明されていたが、本法案では、事業者には、普及啓発、就業環境の整備を求めているほか、国や地方公共団体が行う施策に協力するよう求め、学校にも教育、啓発、教育環境の整備、国や地方公共団体が行う施策への協力を求めている。加えて、学校における教育、啓発は「家庭、地域住民、その他の関係者の協力を得ることとされていることからすれば、相当の予算措置が必要であることが明らかである。本法案では、原案にあった「民間団体等の自発的な活動の推進」が削除された。しかし、法案説明の際には、「国地方公共団体が民間団体等と連携協力することがその場面も数多くあると考えておりますけれどもこれは数多くの民間団体がある中での施策の例示であると考えておりましてあえて明記をしなかったことでございます」とされていた。そうであるならば、施策を行うに当たり、相当の予算措置がされ、民間団体にも相当の公的資金が入ることが想定される。同じようなスキームで民間団体へ公的資金が投入されていた事業で、性暴力や虐待などの被害を受けた若年女性らを支援する東京都の事業を受託した一般社団法人「Colabo(コラボ)」をめぐり都監査委員が会計の一部に不当な点があるとして都に再調査を指示する事案が発生したばかりである。政府は、本法施行後、民間団体への委託事業の実施を想定しているのか。また、実施する場合、どのように公的資金の適正管理を図るのか。

政府
御指摘の「本法案」は、議員立法として提出され、令和五年六月十六日に成立し、同月二十三日に施行されるところ、政府としては、その趣旨を踏まえ、御指摘の点について、今後検討してまいりたい。

解説動画

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