議会質問
外国資本に投資を呼びかける理由(令和6年6月18日)
神谷宗幣(参政党)
次に、二〇一三年からのアベノミクスにより大企業の利益は大幅に上がりましたけれども、結局、トリクルダウンという効果は見られずに、中小企業の経営はコロナ禍の影響もあって依然厳しい状況が続いているということです。そんな中、一昨年五月、岸田首相はロンドンのシティーで、インベスト・イン・キシダと呼びかけて、外国資本の日本への投資を促しました。この呼びかけを受けて、今国会では金商法の改正による外国の資産運用会社の新規参入の緩和や金融・資産運用特区の設置などが進められています。さらに、先日決まった事業性融資の貸主からも外国資本は除外をされていないという状況です。しかし、弱った経済の中に強い外国資本を入れれば、株式や企業、また技術といったものが買収されて、長期的には日本経済全体にダメージを与えるのではないかという懸念を持っています。私はこうしたリスクを機会あるごとに訴えるわけですけれども、こういったリスクを取ってでも外国資本に日本への投資を呼びかけ、資金調達を容易にしようとするのはなぜか、その点をお聞かせください。
神田潤一(大臣政務官)
委員御質問の外国からの新規参入の意味合いにつきましては、今委員も御指摘いただいた資産運用の高度化との関係で申し上げれば、国内だけでなく海外、外国の資産運用会社も含めた新規参入の活性化を通じまして事業者間の競争を促す環境整備を図るということが重要、また、これによって様々なリスクを、リスクテークができる参加者が市場に入ってくるということによって成長資金が市場に拡大していくというふうに考えています。こうした観点を含めまして、御指摘いただいた金融・資産運用特区あるいは金商法の改正、事業性融資新設などの政策も推進することで金融商品や金融サービスの提供が更に促されるよう、事業者間の競争を通じまして資産運用業界全体としての運用力向上を目指してまいりたいというふうに考えております。
神谷宗幣(参政党)
回答ありがとうございます。結局、今まで日本は資金調達しやすかった状態だったと思います。それでもやっぱり回らなかったということは、やっぱり日本人がなかなか金融投資のリスク取らなかったと、だからリスクを取れる外資を入れようということだったと思うんですけれども、先ほど柴議員の方からもありましたけど、NISAとか始まって、かなり日本人もリスク投資を始めているんじゃないかなというふうに思います。かなりの額が外国にも出ていますし、前回は大和証券がファンドと組んでそういった投資を海外にしているという話もいたしました。せっかく国民がそういうふうにNISAとかに投資をするのであれば、やっぱり、先ほどの意見とかぶるんですけれども、国内にしっかりと投資できる、日本企業に投資する商品をきちっともっとつくらせて、それを買ったら減税されるとか税制優遇受けられるという形を今後、先ほど、制度つくったばかりですぐには変えられませんとおっしゃっていましたけれども、将来的に、もっと日本人がリスクを取って投資しようというマネーが、出すときに、そのお金が海外に行かずにちゃんと日本の中で回るような仕組みというのを考えていかないと、結局、外国に投資されて、今まで日本企業の株を外資がたくさん買いました、で、日本政府はそこに、ROE経営だと、配当払え、配当払えとやってきた結果、外国人には配当が払えるけど、日本人の賃金上がらないといって、さっきの小池議員の話につながっていくわけですから、そこのところの仕組みをしっかりしないと、外資を入れるだけでは日本人にお金が回らなくなるので、そこの仕組みをしっかりと設計していただきたいなというふうに強く願っております。
事業性融資は競争力をつけて段階を踏むべきでないか(2024年6月6日 )
神谷宗幣(参政党)
日本、長期間にわたり低金利政策を続けてきたために、資金調達が日本では容易でした。その結果、外国の資本が日本の株を多く所有することになり、株価が過去最高値を記録しました。このように、日本企業に投資した外国の投資家は、多額の円資産を現在保有しています。しかし、円安なのでドルへの換金はなかなか難しく、円の行き場を探しているような市場の状況があるかと思います。そんな中、先日可決された金商法の改正により、そういった事業の企画だけを担う資産運用会社の設立というものが日本で容易になりました。さらに、今後は金融・資産運用特区をつくり、海外の金融機関を誘致する計画が既に発表されています。これにより海外の投資家は、日本で資金を集め、ファンドなどを設立して、今回の事業性融資のスキームも活用できるということになります。一方、日本企業は、コロナ禍のダメージで多くの企業が融資を受けています。景気が回復しないまま今後金利が上がると、返済が困難になる企業が増えていきます。国内の金融機関も決して状態がいいとは言えません。このような状況でいきなり資金力や経験値のある海外金融機関と同じ市場に入れていくということは、弱った羊の群れにオオカミを入れて競争させるようなものになるんじゃないかというふうに感じてしまいます。順番として、日本企業や金融機関にもう少し体力を付けさせて、一定の制限、囲いの中で経験値を積んでもらってから競争させないと、資産運用立国にするつもりが、資産運用亡国になってしまうのじゃないかという懸念を持ちます。事業性融資という新しい制度を入れることに反対するつもりは全くありませんが、自由競争はもう少し段階を踏んで行うべきではないかというふうに考えています。この点について大臣のお考えをお聞かせください。
鈴木俊一(財務大臣)
先日の委員会でも答弁を申し上げましたが、今般の法案において創設いたします企業価値担保権制度の貸し手の範囲につきましては、昨年の二月の金融審議会の報告書の提言や、債権者間の公平性等を確保する観点を踏まえまして、債権者の範囲に制限を設けず、したがって外資の金融機関も活用できる制度としております。〔理事山田太郎君退席、委員長着席〕他方で、例えば国内の地域金融機関は、地域経済動向の把握や地域企業と密接な関係性などの面で外資の金融機関にはない強みもあると考えられることから、こうした強みを生かして顧客の資金調達ニーズに応じた資金供給が図られることが地域金融機関に期待される役割と考えております。このため、金融庁としては、二〇一九年に監督指針改正を行い、人事ローテーションの確保を求めないことといたしました。これによって金融機関において融資担当者が長く同じ顧客を担当する中で、その顧客の事業の理解を深めるような取組を行うことを可能とし、また、地域金融機関を念頭に業種別支援の着眼点を二〇二三年より公表し、その研修を継続的に実施をしているところであります。こうした取組などを通じましてノウハウの取得、蓄積を後押しすることによりまして、地域金融機関がその役割を果たせるよう支援をしてまいりたいと、そのように思っております。
神谷宗幣(参政党)
ありがとうございます。今の大臣の答弁は結構範囲を絞ってのお答えだったんですけど、私が懸念していますのは、この一連の金融の制度改正とかによって外資が入りやすい状況ができているという全体のことを聞いたんですけれども、また今度、機会を改めて聞きます。
事業性融資制度の運用目標(2024年6月6日 )
神谷宗幣(参政党)
今回の法案が通って事業性融資の運用がスタートした後に、一定期間たちましたら制度の検証と見直しというものを行われると思います。そのときに、どういった状態になっていれば今回の制度は成功で、どういった状態だと問題があるというふうに考えておられるのか、今後の制度運用の目標についてお聞かせいただきたいと思います。
鈴木俊一(財務大臣)
今般の法案により創設する企業価値担保権、これは、事業性融資を行う際の新たな選択肢として、事業性融資をこれまで以上に推進していくためのエンジンとなり得るものと考えております。具体的には、企業価値担保権の活用等により有形資産に乏しい事業者の資金調達の円滑化が図られることや金融機関によるタイムリーな経営改善支援が行われることなどを通じて、事業者の継続的な成長が実現し、国民経済の発展に寄与していくことを目標に制度を運用してまいりたいと思ってございます。どういった状態が成功した状態であるかということにつきましては、まさに今申し上げたことが実現されるということが成功した事例であると考えているところでございます。
神谷宗幣(参政党)
お答えありがとうございます。またその見直しのときのタイミングで、今大臣の設定された目標どおりになっているか、またチェックできればと思います。私、今年で四十七歳なんですけど、子供の頃は日本社会、経済も元気で、何かあしたは今日より明るくなるというふうな、そういう希望があったように思います。しかし、バブル崩壊後の失われた三十年というのも見てきまして、私の父の会社も、小さい会社だったんですけど、倒産しまして、担保に入れていた会社も実家も全て担保権の実行で失いました。政治家になってから、バブルですか、その後の不良債権の処理の実態というものを後で学ぶと、やっぱり日本人としては非常に胸が痛むようなことがたくさんあったんだなということを感じています。そうした経験から、今後、またバブルの崩壊後の不良債権処理のときと同じように、日本の資産が安く買われてしまわないかということに非常に個人的に懸念を持っているんですね。あのときもハゲタカファンドというのが日本にやってきて、日本国内で資金を調達して日本の資産を買ったわけです。非常に悔しい事態だったと思います。以前の質問で、長銀の処理失敗じゃなかったですかと聞いたとき、失敗とは考えておられないということでしたので、ああいうことは起きないように本当にしてもらいたいと思います。財政金融委員会で、二年ほどここで審議させてもらっているんですけど、私が心掛けているのは、何年かたった後、二、三十年たったときに子供たちの世代が、何でこんな制度つくったのと、何でこんな法案を作ったのというふうに責任追及をされないような、そういった制度運営をしていただきたいと思います。子供たちが今日よりもあしたの方が明るいというふうに感じられるような経済の状況、制度運営、しっかりとやっていただきたいということをお願いしまして、質問を終わります。
事業性融資の推進等に関する法律案について(2024年6月6日)
神谷宗幣(参政党)
参政党の神谷宗幣です。一昨日に引き続き、事業性融資の推進等に関する法律案について質問します。〔委員長退席、理事山田太郎君着席〕六月四日の質疑で、資金の貸し手には制限を掛けないということでした。そうなると、機関投資家や個人投資家から資金を集めて非上場企業の非公開株への投資を行うプライベート・エクイティー・ファンドや、投資家から集めた資金を企業などに直接貸し付けるプライベート・クレジット・ファンドも投資が可能ということになります。この後者のプライベートクレジット、プライベートクレジットの市場はアメリカを中心に現在過熱しておりまして、海外でも制度の脆弱性や不透明性が指摘され、国際的な監視の強化が必要であるというふうにされています。昨年、日本でも、アメリカのブラックストーン・グループが大和証券グループ本社と提携し、米国企業に直接お金を貸し付ける日本初の公募プライベート・クレジット・ファンドを立ち上げています。これにより、今は日本の投資家の資金が海外に流れるという状況が生まれていますが、今後、日本が市場を開放していくと、海外で規制が強化をされたこういったファンドの資金が日本に流れ込むという可能性も考えられます。実際、彼らは、日本はこれから市場になるというふうなコメントも出しています。こういったことを前提に、三点まとめてお聞かせください。まず、海外の経験を積んだファンドが日本の金融機関と組んで事業性融資の貸し手となった場合に、裁判所及び管財人は、担保権を実行しようとする実行手続全体を通して貸し手の申立ての適正や実行のリスクをどう判断するのかということ。二点目は、担保権の行使が適切でないと判断した場合、適正な事業譲渡先などの代替手段を管財人や裁判所は見付けられるのかということ。三点目、一旦事業譲渡が認められた後も切り売りなどをされることがなく事業を一体として運営させるという、そういったモニタリングはできるのかということ。この三点、併せてお聞かせください。
鈴木俊一(財務大臣)
順番に答えさせていただきたいと思います。最初に、担保実行、担保権実行の申立ての適正さなどについてでありますが、事業の継続、それから再生可能性があるにもかかわらず早期に担保権が実行されるというリスクに関するお尋ねであると思います。実行手続に相応の費用が掛かることに鑑みますと、経営改善支援など他の手段による事業の継続、再生が見込まれる場合には、実行手続の申立てを行わず、再生等を通じた事業価値の向上を図る方が融資の弁済可能性が高まると考えられるために、基本的に、こうした機会を放棄して極めて早期に実行手続の申立てを行うことは、経済的な観点からは想定されないものと考えております。その上で、担保権実行の申立てについては、債権者の債務不履行の証明などに基づき、裁判所が実行の開始、手続を開始決定をするほか、実行手続開始後であっても、裁判所の許可等を要件として、被担保債権全額の弁済がされれば実行手続を終了することが可能な規定を設けておりまして、全体として適正性の確保を図っているところであります。二つ目の御質問は、適切な事業譲渡先の選定についてでありますが、今般の法案において、善管注意義務を負う管財人が、最大限の努力を尽くして、雇用継続と全体としての事業譲渡に向け、事案の性質に応じた適切なスポンサーを探索する仕組みとなっております。その上で、さらに、譲渡先の選定の公平性等を確保するため、管財人が事業譲渡をするには裁判所の許可を必要としておりまして、仮に管財人が選定した譲渡先が不適当であると裁判所が判断した場合には事業譲渡の許可をしないこととなり、その場合には、管財人が再度適切な譲渡先を探索することとなります。三番目の事業譲渡後の運営については、管財人や裁判所が譲渡先における事業を監督する権限は盛り込んでおりませんが、先ほども述べましたとおり、裁判所の監督に服する管財人が労働条件等も含めた譲渡に係る契約条件全体を考慮した上で適切な譲渡先を選定することになりますので、事業譲渡がなされた後も譲渡先において適切に事業の運営がなされるものと考えております。
神谷宗幣(参政党)
丁寧な御答弁、ありがとうございました。リスクをいろいろ想定して聞いたんですけれども、そういった形で裁判所と管財人でチェックが及ぶということを想定されているということですので、そこのチェック機能をしっかりと監督していっていただきたいというふうに思います。
事業性融資の貸し手になぜ制限を設けないのか(2024年6月4日)
神谷宗幣(参政党)
参政党の神谷宗幣です。事業性融資の推進等に関する法律案について質問をします。まず、本法律の目的は、不動産担保や個人保証を取る融資慣行を是正し、会社の資金調達を円滑化することで、事業の継続と成長発展を支え、国民経済の健全な発展に寄与することというふうになっております。そのためには、先ほど小池委員からまたあったところなんですけれども、貸し手を国民経済の発展に寄与しようとする意思の強い国内の金融機関に限定して、当初は国がそこに対して一定の何らかの保証を加えるなどをしてやっていくことによって、国内機関、国内の金融機関ですね、新たな挑戦が可能になり、その間ノウハウが蓄積され、制度の理念に合致するのではないかというふうに考えています。先ほど大臣から答弁ありましたので簡潔で結構ですので、なぜ今回貸し手に制限を加えずにプライベート・デット・ファンドとか再生ファンドなども貸主になれるというふうにしたのか、お聞かせください。
井藤英樹(政府参考人)
お答え申し上げます。昨年二月の金融審の報告書におきましては、成長資金等を供給できる与信者に対して広く利用を認めるべきという提言をいただいています。また、債権者間の公平等を確保する観点から、なぜ金融機関だけがこういう強い担保権を使えるんだということも大きな論点でございまして、こうした観点から商社等の一般事業会社も利用できる制度としております。
神谷宗幣(参政党)
井藤局長、ありがとうございます。これ、事前に告知しなかったんですけど、その公平性とかいった場合に、別に国際ルールとか条約があって対等にしなければいけないということではなく、提言とかに基づいてそういう判断をしたという理解で間違いないですか。
井藤英樹(政府参考人)
報告書におきましては、成長資金等を供給できる与信者に対して広く利用を認めるべきだというような提言をいただいていますけれども、そうしたことも踏まえるとともに、いろいろな有識者、いわゆる政府部内の議論を踏まえまして、債権者間の公平性も極めて重要だというふうに判断したものでございます。
神谷宗幣(参政党)
ありがとうございます。ルールがあってしたというわけではなくて、話合いの中でそういうことを決めたということで理解しました。もう一点確認ですけれども、無形資産を含む事業価値の評価は誰が行うのか、そしてその評価に対してガイドラインや基準を設けるのかということをお聞かせください。
井藤英樹(政府参考人)
企業価値担保権の活用を含め事業性融資を推進していくためには、典型的には金融機関でありまして、別に金融機関じゃない者が債権者の場合はその債権者ということでございますが、金融機関におきまして事業者の実態や将来性等を的確に把握して事業全体の価値を適切に評価できる必要があるというふうに考えてございます。その上で、企業価値の評価は、将来キャッシュフローの見通しを基礎としてその割引現在価値の幅を推計する方法、ほかにも様々なバリエーションがございますけれども、具体的な方法は、各金融機関において個々の事案の特性に応じて顧客に選ばれるための創意工夫、経営判断によって定められるというふうに考えてございます。私どもといたしましては、様々な好事例とかいろいろなモデルケースの把握、公表など等を含めまして、こうした専門的な知見について金融機関が得られるよう支援を行っていきたいというふうに考えてございます。
神谷宗幣(参政党)
ちょっと答え分かりにくかったんですけれども、要は、評価はお金を貸す側が自由に評価をしていいということですから、外国のファンドから借りる場合は彼らが評価をするということで、特に今ガイドラインのようなものはないということで理解をしました。
事業性融資の悪用対策(2024年6月4日)
神谷宗幣(参政党)
これから事業を始めようというスタートアップの制度にはなかなかすぐには当てはまらないんではないかというふうに私も考えていますし、また、事業継承に活用してほしいという思いもあるようなんですけれども、経営者を目指す個人が投資家の支援を受けながら企業の事業継承を主導していき、継承先の経営に関わっていくという形では、サーチファンドといったようなものももう制度として存在していますし、事業承継を考えればそういった制度の拡大、活用というものもあるので、無理して新しい制度をつくらなくてもいいんじゃないかなというふうにも感じています。となると、結局、今回の事業性融資の制度をつくっても、LBOとかの企業買収のところで活用されるケースが多くなるのではないかなというふうに勝手に想像しているわけですね。そういったことを前提に、一つ例を挙げて質問したいと思うんです、ちょっと具体例を挙げて。まず、これ具体例なので、ちょっと例として聞いてください。日本企業のJが、会社の伝統や技術があるにもかかわらず、昨今の円安や金利上昇によって資金繰りに困窮していると。企業Jは、既に有形資産を担保に融資を受けていて、新たに担保にできるのは無形資産のみという状況であると。そこで、今回の事業性融資のスキームを活用して無形資産を担保に融資を受けることを検討している。しかし、企業Jの取引銀行は事業性融資のノウハウがなくて、話がなかなか進まない。そこに特定の意図を持った再生ファンドのAが現れて、再生ファンドAは、企業Jや取引銀行が無形資産の評価に対する知見が乏しく、また当面の資金繰りにも苦しんで焦っているということに付け込んでいると。そして、無形資産の価値を不当に低く評価し、企業Jに対する融資を実行するということがあったと。で、この後、企業Jが経営不振になって破綻の羽目になると、そういったケースになると、再生ファンドのAは仲間の再生ファンドBを裁判所に購入希望者として推薦し、その結果、無形資産が再生ファンドBに事業継承、売却されるような形になると。その売却資金は、企業Jの従業員ですとか、従業員の労働債権とか取引先の商取引債権などの一般債権者への返済に充てられるわけです。けれども、元々低く評価されていたために、その返済額というものが非常に僅かなものにとどまってしまうと。一方、再生ファンドBは、管財人と裁判所のチェックを受けた再生ファンドAからの情報で、適切な価値、企業価値を把握し、企業Jの従来の労働条件など、様々な負担、元々その企業が抱えていた負担、負債ですね、そういったものを明らかにした上で取得し、そして無形資産を本来の価値のところまで高めて、また第三者の事業会社やファンドに価値を付加して売却することが可能になるというふうな、こういったことが実際に可能なのではないかなというふうに想定してしまうわけですね。このスキームというのは、実は、外国のファンドだけじゃなくて、計画倒産を狙うような経営者が、悪い経営者が悪意を持って出てきたときに、こういう形でやっていくことが可能じゃないかというふうにも考えてしまうわけです。かなり例と前置き長くなりましたけれども、今回の法案によってできる制度でこういった悪意あるケースが発生しないようにする防衛策をどのように考えておられるか、こちら、鈴木大臣にお聞きしたいと思います。
鈴木俊一(財務大臣)
今先生から、一つの具体例といいますかストーリーをお話しいただいたわけでありますが、今般の法案では、企業価値担保権の実行手続につきましては、その公平な、公正な手続を確保するために、譲渡人となるスポンサーについて、担保権者等が選定を行うのではなくて、裁判所に任命され、労働者や商取引先も含めた利害関係人全体に対して善管注意義務を負う管財人が選定を行い、事業の承継等の際には裁判所がその承継の条件等について労働組合等の意見を聴取した上で許可することなど、裁判所の監督に服する枠組みとなっております。また、管財人によるスポンサー選定や裁判所の許可に際しましては、雇用の維持や取引関係の維持その他多様な事情を考慮して最も適切な承継先を選定することが求められると考えられるところでありまして、こうした制度趣旨を踏まえた運営に関する考え方については、法案成立後、ガイドラインなどの形で公表することを検討したいと考えております。このような裁判所の監督に服する実行手続におきまして、御指摘の、この例に挙げられましたが、悪意を持った不公正な実行を行うことは困難と考えておりますが、金融庁としては、実行手続がどのように運用されていくかフォローしていくとともに、運用状況を踏まえ、関係者の意見も踏まえながら、必要に応じて制度の見直しも含め検討をしてまいりたいと考えております。
NTT法案の廃止と外資介入の懸念(2024年5月9日)
神谷宗幣(参政党)
関連して、昨年度始まったインボイス制度によって、今年度の税収はどれぐらいになると見込んでおられるか、数字をお聞かせください。
青木孝徳(政府参考人)
お答え申し上げます。令和六年度税収見積りにおきます国、地方の消費税収のうち、インボイス制度の導入による増収額につきましては、国、地方合わせて一千七百三十億円と見込んでおります。
神谷宗幣(参政党)
一千七百三十億円ですね。私も小さな会社やっているんですけれども、やっぱりインボイス制度始まって、物すごく業務というか雑務が増えました。これ、政府ですね、働き方改革で労働生産性を上げようと言っているのと、私、矛盾しているようにやっぱり感じるんですね。千七百億円の税収を得るためにどれだけ国民に事務労力を掛けているのかということを考えると、やはり働き方改革の観点からしても、インボイス制度を見直すべきだというふうに思っています。
ETFの売却先と買取りの可否(2024年4月9日)
神谷宗幣(参政党)
二つ目なんですけれども、これから金融の引締めを少しずつということなんですけど、急激にやっちゃうと冷え込んでしまうので、様子を見ながら少しずつというふうなお話がありました。そういった中で、ETFのもう買取りはしていかないんだ、やらないんだということなんですけれども、でも、先ほど小池委員の方からありましたけど、七十兆円分があると。どういうふうに処理をするかというのは今日は言えないと。まあそれはそうです、市場に影響を与えるので言えないんだけれども、でも、仮に市場に売っていくとした場合に懸念されるのは、余り外国資本に売らないでもらいたいなというのがいつも我々が懸念しているところです。ただ、でも今、株式の取引七割ぐらいが外国人になっていますので、もし日銀が手放すのであれば、やはり日本人がしっかりと買えるような形を考えてもらいたいというのが要望の一つと、あと、万が一ちょっとたくさん市場に流してしまって株価に大きな変動があったようなときに、もう一度改めて買取りを、政策変更で買取りをするということはあり得るのかないのか、少しその点をお聞かせください。
植田和男(参考人)
ETFの仮に処分に進む際にどういう投資家に向けて売却するのかとか、売却を始めた後、また後戻りといいますか、購入を再開するというようなオプションも付けつつやるのかとか、そうした具体的なことに関する御質問であるかと思いますが、それも含めまして、個別の提案に関して、今日、具体的にコメントをすることは差し控えさせていただきたいと思います。様々な提案はきちんと検討させてはいただきます。
神谷宗幣(参政党)
ありがとうございます。前者の方はあくまで要望ですので、検討に入れていただきたいということと、もしまたETFに少し介入、介入というか買取りをするということでしたら、東証のを買っていると思うんですけれども、今、大企業はそれなりに内部留保もあって資金がある状態だと思います。もう少し中企業の方まで資金回すとなれば、マザーズの方にもETFありますので、そういったところに資金を入れて、もう少し中間以下のところにお金が下りる、流れるようなことも検討いただいてもいいんじゃないかなというふうに思っていますので、検討事項として入れておいてください。
金融・資産運用特区実現パッケージは国会で審議されるのか(2024年3月22日)
神谷宗幣(参政党)
最後の質問ですけれども、ほかにもいろいろあるんですね、提案が。同性婚を認めるとか、あとパートナーシップ制度を緩和するとか、北海道も在留資格認める、それから国税を軽減するとか、こういったもう提案が外国人に対して余りにも優遇が過ぎるんじゃないかというふうに思います。政府は、こういった提案を受けて、この夏にはパッケージを発表するということなんですけども、これ、どうなんですか。我々国会でちゃんと審議ができるのかどうか。特区はいいとしても、その内容をちゃんと我々国会議員が見える形で審議させてもらわないと困ると思うんですけれども、その辺についてお考えをお聞かせください。
鈴木俊一(財務大臣)
先ほども申し上げましたが、現在、関係省庁と連携をいたしまして、自治体からいただいた規制改革提案等について検討を進めているところであります。本年六月をめどに地域ごとの具体的な取組などを盛り込んだパッケージを策定する方針です。パッケージの策定自体は国会の議決を要するものではありませんが、これまで先生からも御指摘をいただいたような事項も含め、パッケージの内容が地域社会に及ぼし得る影響等にも留意しながら、実際に影響を受ける可能性のある地域の方々を中心に、様々な関係者の意見や疑問にお答えしつつ、丁寧に検討を進めてまいりたいと考えております。また仮に、パッケージに法律改正を要するような大きな制度変更を盛り込む場合には、当該法律改正について国会での御審議をいただくことになりますので、その中で施策の具体的な内容等について十分に議論をしてまいりたいと思います。
神谷宗幣(参政党)
ありがとうございます。後段のところをしっかり明言していただいたので良かったというふうに思います。こういった特区で実験的にやることはいいんですけれども、それが抜け穴になって国の制度が大きく変わってしまうというようなことがないようにしっかりと慎重審議して、国益にかなった事業を進めていただきたいと思います。
金融資産運用特区の目的(2024年3月22日)
神谷宗幣(参政党)
参政党の神谷宗幣です。本日は、昨年十二月に公表された資産運用立国実現プランの施策の一つとして創設が予定されている金融・資産運用特区についてお聞きしたいと思います。現在、この特区をつくるために全国の自治体に提案募集を行っていますが、その募集要項を読むと、特区をつくる目的が記載されています。少し紹介します。金融資産特区、運用特区は、我が国の家計金融資産のうち現預金として保有されている二千百十五兆円の半分以上を投資へと誘導し、企業価値の向上とその恩恵を家計に還元することで更なる投資や消費を促し、家計の勤労所得に加えて金融資産所得も増やしていく資金の流れを創出し、成長と分配の好循環を実現する。具体的には、国内の金融・資産運用会社の新規参入や業務拡充を通して海外の投資資金を取り込み、スタートアップなどの成長分野への十分な資金が供給可能な環境を実現していきたいということです。簡単に言うと、国民の資産が預金として停滞している状況なので、それを変えて、投資を通じて日本経済の成長を促して、国民の資産を増やして、国内外の資産運用会社を集め、海外のお金も入れて、日本の成長企業への資金が供給される環境をつくりたいという、そういう目的だと思うんですが。まず、前提として確認したいんですが、この金融・資産運用特区を設立する上で最優先で考えるのは、国民の資産を運用して増やすことなのか、それとも外国資本を呼び込んで日本企業への投資を促すことか、こちらの優先順位聞きたいと思います。政府の見解をお聞かせください。
堀本善雄(政府参考人)
お答え申し上げます。御指摘の金融・資産運用特区の施策、これは昨年十二月に策定いたしました資産運用立国実現プランに含まれている政策だということでございます。この実現プランについては、家計の資金が投資に向かって企業価値向上の恩恵が家計に還元するということで更なる投資や消費につながる、いわゆる成長と分配の好循環を実現する、これを目的としております。したがいまして、資産運用特区については、まずは国民の資産を運用で増やしていくことが目的であります。他方で、家計が資金を投資に回し資産所得を着実に増加させるためには、その投資先となる企業や産業が、これが成長して果実を生み出さなければいけないということでございます。したがいまして、金融・資産運用特区においても、特区内の企業や産業が成長して雇用が生まれ、地域の経済社会が活発化するといったことを考えているということでございまして、その過程において海外の資産運用会社が、例えば日本の投資家では十分に提供できないリスク性商品の補完として資金を提供する場合を否定するものではないということでございます。
神谷宗幣(参政党)
ありがとうございます。端的に言うと、国民の資産を増やすことに主眼を置いているという回答だったと思います。
政府系ファンド主導で高齢者のインフラ投資を呼び込みファンドマネージャーが運用する案(2024年3月22日)
神谷宗幣(参政党)
理想は分かるんですけれども、やはり理想と現実があるんですね。甘い考え方は非常に危険で、かつて海外資産の受入れモデルといって北海道のニセコリゾートが開発されていますけれども、皆さん、この現状御存じでしょうか。ニセコ行くと、大体、もう全部買われちゃっているんですね、ホテルもスキー場も外資に。そこで、外国人が来て働いて、外国人が遊びに来ていると。日本人は何しているかというと、雪かきとかホテルのベッドメーキングをしているんですね。時給は高いです、日本でも、二千円とか二千数百円。けれども、全然日本にお金落ちていません。一部固定資産税等は自治体に落ちているんですが、その固定資産税増えても、結局その分交付税減るので、実際はプラス・マイナス・ゼロ。人が増えているんで水道とか下水の整備に何十億って掛かっているんですよ。外国人がもうけるために何で日本人がそんな何十億も出してインフラ整備しないといけないんですかという状態になっています。実際そうなっているんですね。だから、外資の受入れいいんですけれども、この警戒心がないと、結局どんどん外資に投資されて、そこでマネーロンダリングみたいなことが起きちゃうというふうになりますね。かつて香港とかマカオ、マカオの話、前カジノでしましたけれども、それから、最近だったらウクライナの戦争自体が軍需産業のマネーロンダリングに使われているんじゃないかというような話もこの間したと思います。日本が、これまで物づくりとか貿易によって日本は発展してきたんですけど、今のままこうやって外国の資本に頼るとなると、そういった物づくりとかそういうことがどんどんと買われて、結局外国人の資産で収入をもらわないといけないというふうな、そういう状態に成り下がるおそれがあります。この投資を受け入れるのであれば、かつて中国のトウ小平氏がやられたように、別に共産党を見習えということじゃないんですけど、やっぱり外国の資本と技術入れて、経済特区発展させたわけです、彼はね、上手に呼び込んで。ある程度時間たって、技術とかそういうのを習得してインフラを造ってもらったら、出ていってもらったんですね。出ていってもらって、それを今中国が運用しているわけです。非常に賢明で、したたかだなというふうに思います。これぐらいの腹を持って日本もやらないと軒を貸して母屋を取られるような状況になりますので、是非そういったところの防衛策を考えておいていただきたいというふうに思います。日本人の資産を生かして日本企業を成長させ、日本に利益を還元したいというのであれば、本当にこの特区をつくるということでいいのかということです。私は、政府主導で官営のファンドなんかを新しくつくり、国民の金融資産を預かって、資産運用に高いスキルを持ったファンドマネジャーを雇って運用してもらえば、目的果たせると思うんですよね。特区づくりの背景に書かれているように、日本人の資産の多くは確かに預金で保有されているんですけれども、その多くは機関投資家と高齢者の資産です。アンケート取ると、もうそもそもなんですけど、日本人の八割は投資を行うための余剰資金を持っていないです。企業も、先ほどから言われているように、社会保険料も払えないし、賃上げもできない状態の中で、投資できる人限られているんですね。だから、外国の資本を呼び水にしてやったとしても、結局期待したような反応は得られないと。笛吹けども踊らずという状態になる可能性高いと思います。日本において主要な資産保有者は、これもデータで分かりますけれども、高齢者ですね。高齢者の方々がお金持たれています。彼らの資金を金融投資に回してもらうためにはやっぱり相当の工夫と明確なメリットが必要だというふうに考えます。貯金のある高齢者の方は、別にハイリスク・ハイリターンの投資商品は望んでおられません。自分たちが生きておられる間の安心、それから子供や孫に相続したい、それからできれば社会貢献に使いたいとか、そういったモチベーションはあると思います。このような現状を踏まえると、政府系のファンド、先ほど言いましたが、こういったものをつくって、そこにお金を出してもらって、高齢者の方々に出してもらって、その資金で例えば日本の水道事業とか、電気事業とか、再エネ事業とか、そういったインフラ投資に充ててもらう。今回の北海道の提案出ていますね、再エネのが。だから、そういったのを、こういうことやりますから、政府でやりますからお金出してくださいと、一定の配当払いますというふうな形でやれば、社会インフラですから、これ社会貢献ですよね。そこにお金出してもらって債券の形で渡せば、それは相続税を下げるような形で子供や孫に相続できますよというふうにしてあげれば相続対策にもなるわけですね。高齢者の方々にとって、こういった投資商品をつくるべきじゃないかというふうに思います。でも、じゃ、スタートアップはといえば、スタートアップはやはり少しリスクがありますから、その分に関しては別途配当を高めるなどして協力を仰げばいいんじゃないかというふうに思います。そんな、なかなかファンドうまくいかないよというんであれば、そこで外国人ですよ、そこで外国人。外国の上手なファンドマネジャーを連れてくればいいわけですね。まさにこれ、明治時代にやったことです、お雇い外国人というやつです。それはアメリカ人とかの方が絶対上手ですから、そういった方々来てもらって、ファンド運営してもらって、そこで日本人も学ばせてもらうと。で、できるようになったら、そのノウハウをもらって日本人がやればいいだけの話で。こういった形で、活用されていなかった預金資産を動かして日本経済を成長させて、国民の資産増加と日本企業の資金が供給される環境を整備するということできますし、これであれば、企業や社会のインフラが外資に買われるというリスクも避けられるわけですね。こういった特区、先ほどるる申し上げましたが、そういう特区をつくるよりも、政府系のファンドをしっかりとつくって、有能なファンドマネジャーを雇ってきて運営する方が国益にかなうというふうに思いますが、これについて政府はどう思われているか、お聞かせください。
堀本善雄(政府参考人)
お答え申し上げます。資産運用特区でございますけれども、これは、先ほど来申し上げていますとおり、資産運用立国実現プランの中で、二千兆円を超える預金を企業や産業の成長に向けて、それは家計が投資に関する果実を享受できると、こういうふうなことが目的となっています。さらに、金融・資産運用特区については、重要なことは、その地域において国と地域が協働して、実際に企業や産業の育成、これをしっかりしていくということであります。したがいまして、そうした文脈の中で、海外資金についても、例えば日本の投資家では十分に提供できないリスク性資金を提供する場合や、あるいは海外とのビジネス展開によって地域経済の発展に資する場合、これを否定するものではないというふうに考えております。いずれにいたしましても、金融庁としては、特区における各自治体からいただいている具体的な施策について、それぞれの地域の実態を踏まえまして、提案を行った自治体と丁寧に対話をしていきたいというふうに考えております。
神谷宗幣(参政党)
目指すところは一緒なんですね。手法が、わざわざ外国の投資会社に任せなくても日本の中でハンドリングした方がいいんじゃないですかというのが私の提案ですので、是非検討してください。
投資移民の受入(2024年3月22日)
神谷宗幣(参政党)
大阪から出ている提案読みましたら、投資家ビザの創設という項目があります。これによると、三年以内に大阪の成長産業に対し約一億二千万円の投資や政府に対する一定期間の信託を実施した場合に永住権を付与するというふうなことが書かれています。政府は、こういった特区を通じて、このような投資移民ですね、投資移民の受入れを構想しているのか、また、今回の特区に限らず、将来的に我が国は投資移民を受け入れていく可能性はあるのか、この二点をお聞かせください。
鈴木俊一(財務大臣)
今、金融・資産運用特区の創設に向けまして、自治体から提案募集を行ったところ、外国人投資家に対して一定の条件の下で永住許可を認める制度の創設に向けて、大阪からいわゆる投資家ビザに関する御要望があったものと承知をいたしております。御提案がありました御要望については、現在、自治体から具体的なニーズ等を確認しているところでありまして、現時点での評価はできない、差し控えたいと思いますが、今後、諸外国におけます類似制度の内容及びその運用状況、課題などを踏まえながら、関係省庁と連携して、当該要望の実現の是非について検討してまいります。
政府参考人(福原道雄君)
お答え申し上げます。まず、移民という言葉は様々な文脈で用いられており、明確に定義することは困難でありますけれども、いずれにいたしましても、政府としては、国民の人口に比して一定程度の規模の外国人及びその家族を期限を設けることなく受け入れることによって国家を維持していこうとするいわゆる移民政策を取る考えはございません。その上で申し上げますと、投資家自体の呼び込みにつきましては、令和五年六月十六日に閣議決定されております新しい資本主義のグランドデザイン及び実行計画二〇二三改訂版におきまして、英国等の諸外国の事例を参照し、国家戦略特区の枠組みを活用しつつ、資産額やスタートアップへの投資実績等を基に、一定額を日本国内に投資すること等を要件に投資家向けビザの創設を検討することとされております。これを踏まえまして、現在、国家戦略特区の枠組みにおきまして、東京都及び渋谷区から投資家向け在留制度の創設に係る提案があったところ、法務省としては、国家戦略特区の制度として、特区内のスタートアップへ一定額以上の投資行為及び助言等のスタートアップを育成する活動を行う優れた外国人投資家向けの在留制度の創設を検討することとしています。引き続き、制度の要件や付与する在留資格、在留期間等につきまして、内閣府及び提案自治体とともに検討を進めてまいりたいと考えています。
神谷宗幣(参政党)
ちょっと時間なくなってきたので、早口で言いますが、投資移民って、お金出したら永住権をもらえるとか、そういうことですね、単純に定義を言うとね。海外では投資移民を受け入れた結果、特定の国、まあ中国なんですけど、たくさんの移民が流入して政策が失敗に終わった事例というのがあります。例えば、オーストラリアはもう永住権の発行を停止していますし、香港は二〇一五年に打ち切っていた投資移民プログラムを再開はするんですが、新たなプログラムでは最低投資額を旧プログラムの三倍、三千万香港ドル、約、日本円にして五億五千万円に引き上げるとしています。このプログラムでは海外籍保持者や中国籍で海外の永住権を持つ人のみが申請ができるので、中国本土の居住者は除外されています。シンガポールでは最低投資額を日本円にして二億五千万円だったものを十億円という形に引き上げていて、永住権を仮に一回取得しても五年ごとの審査を受けないといけなくて、審査を受けるときに一定以上のシンガポール人の雇用をしていないと申請が認められないというふうな厳しい要件にしています。こういった国々は、中国は数千万人富裕層いますから、それで本土から移民がたくさんやってきたんですね。彼らは不動産をいっぱい買うので、価格が高騰してしまって、そしてまた特定の地域に集住してしまっていろんな衝突が起きたということで変更を検討したということのようです。こうした失敗事例から学ぶべきことは日本たくさんあると思っていまして、経済合理性だけで大量に投資移民というものを受け入れるべきではないと思いますし、万が一、少し門戸を開くにしても、不動産の投資はその金額に入れないとか、シンガポールのような雇用をしっかりと義務付けるとか、やっぱり要件を厳しくしてやっていかないと、いつか来た、ほかの国が失敗したと同じような、なりますので、気を付けていただきたいというふうに先に懸念を伝えておきます。
スタートアップエコシステムのストックオプション(2024年3月21日)
神谷宗幣
ストックオプションは人材獲得のツールとして活用されており、今回の制度改正も人材確保の目的が大きいと思います。しかし、そうであれば、二〇一四年頃から始まり、昨年までに約八百社が導入し、対象となる人数が約五万人にも上っていた信託型ストックオプションに対し、導入企業が認識していた課税関係とは異なる方針を後で示して、その活用が止まった後にまた今回のストックオプションのてこ入れを提案したというのはどうしてなのかということを疑問に思っています。日本のスタートアップを支援するのが目的であれば、既に広く活用されていた信託型ストックオプションを継続させていた方が得策であったのではないかと思いますが、この点の見解をお聞かせください。
青木孝徳(政府参考人)
お答えします。一般に企業が役員などに付与するストックオプションにつきましては、税制適格ストックオプションに該当する場合などを除きまして、ストックオプションの行使時に給与所得として課税することとして取り扱っております。御指摘のいわゆる信託型のストックオプションにつきましても、国税当局においては、この取扱いに従いまして、従来から原則としてストックオプションの権利行使時に給与課税されると取り扱うこととしておりまして、昨年五月にこうした見解を取りまとめたQアンドAを公表し、改めて明確化したものでございまして、課税要件を変えたものではございません。なお、ストックオプション税制については、従業員のモチベーション向上に資するものを対象とする観点から、ストックオプションの付与から二年以上経過して権利行使することなどを要件としており、この信託型のストックオプションでありましても、こうした税法上の要件を満たせば給与課税を要しない税制適格ストックオプションとして取り扱うことも可能でございます。その上で、今般御審議をお願いしておりますストックオプション税制の見直しにつきましては、こうした従業員のモチベーション向上に資するものを対象とする考え方を維持しつつ、利便性向上のための改正を行うものであり、こうした措置によりスタートアップの人材確保を後押ししてまいりたいというふうに考えております。
神谷宗幣
でも、実際に普及していたわけですよね。だから、モチベーションアップにつながっていたからいろんな企業が導入していたということではないかと思うんです。二〇一四年から去年までですから八年、九年ぐらいはやっていたわけですよね。だから、もしそういうガイドラインを示すのであればもう少し早めにやらないと、後出しじゃんけんみたいになってしまって、こういうことを繰り返していると何か国民が政府とかに対して信頼を失ってしまうと。もっと言えば、自分たちでせっかく新しい制度をつくっても、そうやって後で塞がれちゃうと、そういった制度を考えたり、そこでできたお金をまた更に投資に回したりということの投資意欲が下がってしまうんじゃないかなというふうに感じることが、まあ今回のケースだけじゃなくて、ほかにもあって、いろんな声を聞いています。国民が、やはりそういった形で、国内でやっていても後から全部税金で取られるわというふうになったら、海外に投資しますよね。だから、今回大きく、国内に投資を持っていきましょう、日本人の余剰な資金を国内に投資してもらいましょうと言っているのに、それで増やそうとすると、政府が後で課税するものだから、結局投資意欲が下がってしまうと。言っていることとやっていることが逆じゃないかなというふうに感じてしまいますので、何でもかんでも税で取って、じゃ、それを政府集めてうまく運用して国民の資産増えたらいいですけど、国民の資産は減っている状況ですから、余りこういったところにどんどん網掛けをしていって取れるもの全部取るという方向はちょっと考え直した方がいいんじゃないかなというふうに思いますので、今後の制度設計の一つの要望として挙げておきます。
スタートアップエコシステムストックオプションによる外資優遇と外資規制(2024年3月21日)
神谷宗幣(参政党)
関連して、昨年度始まったインボイス制度によって、今年度の税収はどれぐらいになると見込んでおられるか、数字をお聞かせください。
青木孝徳(政府参考人)
お答え申し上げます。令和六年度税収見積りにおきます国、地方の消費税収のうち、インボイス制度の導入による増収額につきましては、国、地方合わせて一千七百三十億円と見込んでおります。
神谷宗幣(参政党)
一千七百三十億円ですね。私も小さな会社やっているんですけれども、やっぱりインボイス制度始まって、物すごく業務というか雑務が増えました。これ、政府ですね、働き方改革で労働生産性を上げようと言っているのと、私、矛盾しているようにやっぱり感じるんですね。千七百億円の税収を得るためにどれだけ国民に事務労力を掛けているのかということを考えると、やはり働き方改革の観点からしても、インボイス制度を見直すべきだというふうに思っています。
JBICは市場金利よりも有利な条件で外国企業に融資ができるのか(2023年4月6日)
神谷宗幣(参政党)
法改正が行われ、JBICが外国企業に融資ができるようになった場合は、市場金利よりも有利な条件で外国企業に融資ができるのでしょうか。もし市場金利と同じ条件ということであれば、なぜ外国企業はわざわざJBICから融資を受けるのか、その辺お聞かせください。
林信光(参考人)
株式会社国際協力銀行法に定められておりますとおり、私どもは、一般の金融機関が行う金融の補完、民業補完を目的とする株式会社でございまして、貸付金利の設定に当たりましては、銀行等の取引の通常の条件や金融市場の動向を勘案することとなっております。こうした中、外国企業がJBICから借入れを希望する理由といたしましては、例えば、日本企業と強固なネットワークを有するJBICから融資を受けることで、同一サプライチェーンに連なる日本企業との取引関係の維持強化が期待されるといった点、あるいは事業実施国政府との連携や調整においてJBICの公的ステータスや海外ネットワークを活用した側面支援が期待されるといった点が挙げられます。私どもといたしましては、今般の法改正による実施可能となる外国企業向け融資が日本企業のサプライチェーン強靱化に明確に裨益するよう適切に対応してまいりたいと考えております。
神谷宗幣(参政党)
ありがとうございます。あと、JBICの融資の焦げ付きがどの程度あるのかといったような質問も聞いておりましたが、時間がありませんので割愛させていただきます。また後で資料だけいただければと思います。どんどんウクライナの支援等もやっていただくのはいいと思うんですけども、やはり日本、湾岸戦争のときもお金は出しましたけれども、結局余り国際的には評価されなかったというようなこともありましたので、是非今回のウクライナ支援が、やはり日本が国際社会に対してすごく貢献しているんだということをしっかりと諸外国にアピールできるような、そういった形で融資進めていただきたいというふうに考えております。
なぜ政府が資金面で直接外国企業を支援するのか(2023年4月6日)
神谷宗幣(参政党)
国際協力銀行、JBICについてお聞きします。衆議院の質疑を見ておりますと、今回の法改正によるサプライチェーンの強化はその海外依存を高めることにならないかという議員の質問に対し大臣は、サプライチェーンの国内回帰は重要だが、原材料の調達が困難なので、JBICの支援でそれをサポートしたいというふうに答えておられました。この点、戦後の日本は加工貿易で復興してきたわけですけども、その陰には、日本の商社の方々が世界中にネットワークを張り巡らせ、世界中から原材料を調達してきていたという功績があったと思います。そこに政府の支援はそれほど大きくなく、日本商社の地力が世界各国に群を抜いていたというふうに私は理解しているんですが、ここに来て政府が資金面で直接外国企業を支援するということは、商社を含む日本企業の資金力や海外でのプレゼンスが下がってきたということなのでしょうか。なぜこのタイミングで政府が支援を始めるのか、その背景をお聞かせください。
三村淳(政府参考人)
お答え申し上げます。まさに足下、デジタル化でございますとか気候変動でございますとか、様々な構造的な変化が世界的に進んでございます。そして、あのパンデミック、コロナのパンデミックもございましたし、先ほど来出てございます、昨年二月以降はロシアによるウクライナ侵略、こういったものもございましたので、その中で、日本企業も含めまして世界的にこれはもうサプライチェーンの再構築、強靱化を図る動き、広がっていると存じます。もちろん、その中で、我が国としましてサプライチェーン、できるだけ国内回帰をしていくという観点ももちろん重要でございます。ただ、他方で、例えば半導体ですとか電池ですとか、そういったものの原材料になりますレアメタルのようなもの、例えばこういったものはどうしても海外からの調達に頼らざるを得ないという部分もございますので、そういう意味では、原材料から部材まで、上流から下流まで全てサプライチェーンの全体を見たときに、この全てを国内で自給自足的にやるというのはなかなか難しいのも実態かと存じます。そういった状況、そしてさらには経済のグローバル化、世界的にも進んでいるという状況の中で、今般、この日本企業の皆様方からも、このサプライチェーンに組み込まれた外国企業、これを是非直接支援してほしいという要望も現にJBICにも寄せられてございますことから、私どもとしまして、今回の法改正でこれへの融資をできるようにということで申し上げているところでございます。
先ほど、最近になって日本の企業の資金力弱まっているのではないかという御指摘もございましたけれども、ただ、特にこのサプライチェーン、分けても資源の調達というようなところになりますと、当然外貨でかなりまとまった金額が必要ということでございますので、そういう意味では、昔からそういう意味では政府系金融機関に対する支援のニーズもあったというふうに私どもとしては認識してございまして、例えばJBICの前身の日本輸出入銀行の時代から、当然、千九百五、六十年代頃からいろんな資源の輸入に関連しての融資、これは輸銀の時代からやってございますので、そういう意味では、そういったニーズが引き続きある中で、それを更に時代に合わせたものにしていくというのが今回のお願いしている法改正の趣旨でございます。
神谷宗幣(参政党)
支援のバリエーションを増やしていくということで理解をしておりますけども、やはり日本の国際的な影響力が下がってきているんじゃないかというふうにも懸念できますので、是非日本企業のバックアップをしっかりとお願いしたいというふうに思います。
カジノによる外国人の現金持ち込みチェックとマネーロンダリングのチェック体制(2023年3月30日)
神谷宗幣(参政党)
次に、今後、我が国でもカジノ施設が運営されるようになると、外国人が相当な、多額な現金を携帯して国内に持ち込むケースが増えるということも想定されます。そうした事態を想定し、税関としてはどのようなチェックを行う考えなのか、また、カジノはマネーロンダリングの手段としても使われており、税関におけるチェック体制の強化が求められると思いますが、カジノの運営を見据えて準備していることなどあれば教えてください。
諏訪園健司(政府参考人)
関税法上、旅客が百万円を超える現金などを携帯して入国する場合におきましては、その現金等につきまして税関に輸入申告を行う必要がございます。税関では、現金等の不正な持込みに対しまして、警察等の関係機関とも連携の上、情報の収集、分析、活用の強化に努めますとともに、エックス線検査装置等の取締り検査機器を活用しまして、旅客の携帯品等の効果的、効率的な取締りに取り組んでいるところでございます。今後、インバウンドの拡大により訪日外国人旅客の更なる増加が見込まれます中、委員御指摘のような要因も含めまして、様々な要因によりまして現金の持込みといった事例が増加する可能性はあると考えております。警察等の関係機関と連携を強化の上、厳格な水際取締りに一層努めてまいりたいと、このように考えているところでございます。
地域経済への外資の影響力増加について(2022年11月17日)
神谷宗幣(参政党)
次に、昨年銀行法が改正されまして、株式保有規制が緩和されたことにより、各地の企業に対する銀行の影響力の強化を通じて、日本の地域経済に対してもまた外資による支配が拡大することを懸念する声が上がっています。これについて金融庁はどのように考えているか、お聞かせください。
伊藤豊(政府参考人)
お答え申し上げます。今ほど申し上げましたとおり、金融庁といたしましては、銀行法の主要株主規制に基づき、銀行の健全、適切な経営が確保されるよう監督していることでございます。
今御指摘をいただきました改正銀行法におきましては、銀行が地域経済の面的な再生などを幅広く支援できるように地域活性化事業会社に対する議決権一〇〇%の出資を可能とする、そうした改正措置を講じるなど、出資規制の見直しを行ったところでございます。
ただし、この地域活性化事業会社につきましては、これは内閣府令におきまして、事業の計画の策定に地域経済活性化支援機構、官公署、お役所又は商工会、商工会議所などが関与している会社であることなどを要件として規定することで、銀行のある意味一存で事業が営まれることのないよう配慮した仕組みということにしておるところでございます。金融庁といたしましては、金融機関が改正銀行法を適切に活用し、地域経済の活性化に一層貢献できるよう、モニタリングを行ってまいりたいというふうに考えております。
神谷宗幣(参政党)
ありがとうございました。最後に、もうこの二十年間、日本の金融見てくると、やはり外資の影響力、やっぱり強まっていると言わざるを得ないと思います。やはり、日本の企業の文化とか組織体とかも大分解体されてきて、大分経済弱まっているなというのは感じます。
もう一度、経済の在り方、内需の拡大ですとか国内回帰を図って、行政との話合いしっかりとして、かつて護送船団方式といって、大分マイナス面でやゆされているんですけども、あれ、防御型の陣形ですよね、護送船団方式というのは。ああいったものを模索しつつ、日本経済の底上げを皆さんと一緒に話し合っていきたいと思っております。ありがとうございました。
株式構成などによる銀行への外資の影響について(2022年11月17日)
神谷宗幣(参政党)
御回答ありがとうございます。せっかく金融緩和を続けているので、そこでお金が止まっているといけませんので、是非力を入れてやっていただきたいと思います。次に、先般も外国資本による日本経済への影響力が増しているんじゃないかという問題を取り上げましたが、九〇年代のバブル崩壊や金融危機、さらには構造改革などを通じて、日本の金融機関の力は国際的に見ると年々弱体化しているように感じられます。そして、日本の大手金融機関が外資の影響下に置かれてしまう傾向が強まっているのではないかというふうな懸念も持っているんですが、例えばメガバンクの株主構成を見てもこのことが指摘できるんじゃないかと思います。経済の血液であるマネーの分野での外資の影響力の問題について、金融庁のお考えをお聞かせください。
伊藤豊(政府参考人)
お答え申し上げます。御指摘の外国法人による三メガバンクの議決権の保有割合でございますけれども、二〇二二年の三月末時点におきまして、三菱UFJフィナンシャル・グループが約三三%、三井住友フィナンシャルグループは約三四%、みずほフィナンシャルグループは約二四%という割合になっておりますけれども、一つの、一の株主、一人の株主による保有割合はいずれも五%を超えていないという状況になっております。私どもの制度面での対応でございますけれども、銀行法では、銀行の議決権の五%を超える株を保有する株主に対して銀行法上の届出義務を課しておりまして、金融庁として銀行の経営に対する実質的な影響力のチェックを行うということになっております。さらに、銀行法では、銀行経営の健全性確保等の観点から主要株主規制というのがございまして、おおむね百分の二十と、二〇%ということでございますけれども、この基準値以上の議決権を取得しようとする者はあらかじめ金融庁の認可を受けなければならないとされているところでございます。この規定に基づきまして、金融庁は、主要株主に係る認可の申請があったときには、当該申請者について、議決権の保有に関する事項に照らして銀行の業務の健全かつ適切な運営を損なうおそれがないこと、財産及び収支の状況に照らして銀行の業務の健全かつ適切な運営を損なうおそれがないこと、人的構成等に照らして銀行の業務の公共性に関し十分な理解を有し、かつ十分な社会的信用を有する者であることという基準に適合するかどうか審査を行っているところでございます。また、認可後におきましても、金融庁は必要に応じて、この主要株主に対して報告徴求、立入検査を実施することができますほか、主要株主が法令違反や公益を害する行為などを行ったときには認可を取り消すことができるという制度に基づいて運用をしているところでございます。金融庁といたしましては、こうした銀行法上のルールに基づきまして、銀行の健全、適切な経営が確保されるよう監督してまいりたいというふうに考えております。
神谷宗幣(参政党)
詳しい説明をありがとうございます。ただ、資本関係が一見外資に見えなくても、日本の企業が株主であったとしても、その背景にまた外国の資本が入っているとなかなか見えてこない部分もありますので、その部分も含めて厳しいチェックを引き続きお願いしたいと思います。